パシコン/クマ検出にAIカメラ活用/複数現場で実証開始

2026年9月18日 技術・商品 [3面]

文字サイズ

 パシフィックコンサルタンツは、ここ数年増加しているクマによる人身被害を受け、AI技術を導入した監視システムを構築する。小型コンピューター搭載の定点カメラをクマが出没する恐れのある場所に設置。AIがカメラに映り込んだ物体をクマと判断すると、即座にメールでアラートを発信し、クマとの鉢合わせを未然に防ぐ。山間部の工事現場や公園などでの導入を想定。人の安全確保と安心できる社会環境の構築に貢献する。
 「クマ検知AIカメラ」として開発している。英Raspberry Pi財団が開発した小型コンピューター「ラズベリーパイ」と赤外線カメラを組み合わせる。携帯電話回線による通信や高精度衛星利用測位システム(GPS)などの機能を搭載。AIがカメラに映り込んだ物体をクマと判断すると、クラウドに画像を送り、登録者にメールで知らせる仕組みだ。
 電源はAC電源と外部バッテリーの2通りに対応。防じん・防水性能の国際規格であるIP68に準拠し、過酷な環境でも稼働する。本体重量は1・5キロ程度で持ち運びや設置もしやすい。
 環境省の調査によると、2025年度は全国で238人がクマによる被害を受けた。前年度比8・7%増で過去最多を更新。13人が亡くなっている。
 同社は相次ぐ被害の減少に貢献するため、今年からクマ検知AIカメラの開発に取り組んでいる。17日時点で石川県と秋田県の山間部などに計6台のカメラを設置し、企業などと共同で性能などを検証している。10月にはさらに1カ所で実証を始める予定。来春にも本運用への移行を目指す。
 今後、クマ以外の害獣検知も検討する。同社の担当者によると、人のカウントや動線解析、不正侵入検知、車両の監視などにも適用できる可能性があるという。
 クマ検知AIカメラは、18日まで東京都江東区の東京ビッグサイトで開催中の「FORESTRISE 2026(第5回次世代森林産業展)」で紹介している。山間部に現場がある建設会社などの関心が高いという。活用方法やニーズを調査しながらシステムを高度化していく。