兵庫県明石市立市民病院建替、がんセンター跡が候補/有識者会議が報告書

2025年4月30日 工事・計画 [8面]

文字サイズ

 兵庫県明石市立市民病院(鷹匠町1の33)の在り方を検討する有識者会議(座長・谷田一久東京都立大学客員教授)は、老朽化が進む同病院の再整備に向けた報告書をまとめた。3月7日に丸谷聡子市長に報告書を提出した。県が建て替えを進めている県立がんセンター(北王子町13の70、約3ヘクタール)の移転後跡地を候補地に移転新築することが望ましいとした。
 現在の市立市民病院は1991年に完成。敷地面積は約3ヘクタールで、施設規模がSRC造地下1階地上7階建て延べ2万1895平方メートル(建築面積9319平方メートル)。診療科目は27科で、稼働病床数は327床(一般急性期241床、高度急性期6床、回復期80床)を備える。
 再整備手法は大規模改修と増築・改修、現在地建て替え、移転新築の4パターンで検討。現状の医療体制に影響を与えない移転新築が望ましく、立地性やアクセス面でも県立がんセンター跡地が建設候補地として最適とされた。県立がんセンターは現在地の北側隣接地に2027年度中をめどに移転を予定。市民病院が同跡地に移転すれば、両病院の連携による地域医療の強化が期待できるとした。
 今後は▽具体的な医療機能の設定▽地域包括ケアシステムの推進▽医療従事者の確保・育成▽市民や県、医療機関からの理解を得る取り組み-の検討を進め、再整備計画を具体化していく。
 「明石市地域医療のあり方検討にかかる調査支援業務委託」はシップヘルスケアリサーチ&コンサルティングが担当。