広島八丁堀3・7地区市街地再開発準備組合(砂原傑理事長)は、広島市中心部で計画する市街地再開発事業に向け、9月にも市に都市計画を提案する。対象区域は広島YMCAなどが立地する約1・2ヘクタール。二つの街区に3棟総延べ約8万平方メートルの再開発ビルを建設する。順調にいけば2026年2月に開催される都市計画審議会に諮問し、25年度内に都市計画決定する見通しだ。事業協力者に大成建設とNTT都市開発が参画し、コンサルタントはアール・アイ・エーと復建調査設計が担当する。
地権者らが再開発を計画しているのは、広島YMCAや京口門公園などがある中区八丁堀3、7。コンセプトは「住み働き学ぶ京口ゲートタウン」。キーワードに▽多世代が住み・働き・国際的な体験・交流ができる拠点づくり▽公園と公益施設が一体となった交流空間・交流拠点づくり▽複合的な機能導入による広島中心エリア・八丁堀エリアの回遊性づくり-など四つを掲げる。
公園や幟会館があるA街区は高さ約60メートルの再開発ビルを計画。低層階に教育・国際交流拠点、中層階に集会所など、上層階にオフィスを配置し、延べ床面積は約1万9000平方メートルを想定する。公園は南側の角地に移す。
広島YMCAがある南側はB街区に設定。警察署側に30階を超える都市型タワーマンション(高さ115メートル、延べ約4万2000平方メートル)を建てる。住戸数は約400戸。1階は店舗にする。民地内空地を挟んだ東側にはオフィスなどが入る再開発ビル(高さ約60メートル、延べ約1万8000平方メートル)を整備し、国際化に対応したビジネス拠点にする。
市には、区域や道路など公共施設の配置と規模、再開発ビルの延べ床面積などを定めた第1種市街地再開発事業の決定、容積率の最高限度を500%から900%にする都市再生特別地区の変更、公園(約0・11ヘクタール)の位置を変える都市計画公園の変更について提案する。
その後、市が都市計画案の縦覧を行い、住民などから意見を受け付ける。都市計画決定後は26年度以降に本組合設立、権利変換計画承認を得て、A街区から着工、30年代半ばの工事完成を目指す。