淺沼組らが参画して大阪・関西万博のオランダパビリオンの設計・建設を手掛けた日蘭のコンソーシアム「AND BV」とパソナグループが、万博閉幕後のパビリオン移設に関する基本合意書を締結した。移設先はパソナグループが地方創生事業に携わる兵庫県の淡路島を予定し、用途は今後協議を進める。
20日にパビリオン内イベントスペースで会見を開いた。オランダ陳列区域政府代表のマーク・カウパース氏のあいさつに続き、設計を担当したオランダの建築事務所「RAU」のトーマス・ラウ代表はパビリオンの建材が全て記録され再利用できることを紹介。「全ての資源は有限で『限定品』。地球規模の課題に直面する私たちは考え方を改めなければならない、という思いを込めた」と語った。
施工を担当した淺沼組の豊田彰啓代表取締役兼専務執行役員は「人間にも地球にも良い循環をつくるという当社の理念に合致するプロジェクトだ。循環型建築の意義と可能性を実例として社会に示していきたい」と述べた。パソナグループの南部真希也取締役兼常務執行役員は「オランダパビリオンが掲げるテーマは、当社が淡路島で挑戦する自然との共生や循環型農業の在り方と強いシナジー(相乗効果)がある」と力を込めた。
万博閉幕後の解体・移設を前提に設計された同パビリオンは建物の中央に球体があり、持続的に利用可能なクリーンエネルギーと日の出を表現している。規模はS一部システムトラス造2階建て延べ1023平方メートル。