奈良県は21日、「三宅町県有地活用基本構想」を公表した。県北部・大和平野の中央に位置する三宅町石見地区の県有地(約7・7ヘクタール)を活用し、「次世代を担う学生×企業のまちMIYAKE」をテーマにまちづくりを進める。2025年度に基本計画を策定するとともにPFI導入可能性調査を実施し、事業スキームを固める。その後、設計・工事に着手し、31年度当初の開業を目指す。
構想では県内の学生や社会人、留学生が交流する新しいタイプの寮「ヤング・イノベーション・レジデンス(YIR、仮称)」を整備するほか、若手起業家の育成を支援するインキュベーション施設や、交流・研究拠点の設置、さらに構想に賛同する企業の誘致も計画している。
計画地は近鉄橿原線・石見駅から南西に約200メートルの立地で、寮には県内大学院・大学・高専・高校の学生や社会人ら最大120人が入寮する。寮に併設するインキュベーション施設では起業を志す学生らの成長支援や企業との協働による実証実験、社会課題解決型の学びの場などを導入。地域住民との交流やイベント開催の場となる共用施設や、レストラン・カフェ・ジムなどの民間収益施設の誘致も進める。
企業誘致エリアには研究・開発機能を持つ企業を想定しており、学生寮との親和性や人材交流が期待される分野に焦点を当てる。奈良県の産業構造から製造業(機械、食品、繊維など)やICT、脱炭素分野などへの展開も視野に入れる。
整備・運営手法はDBO(設計・建設・運営)、PFI方式、従来手法を比較検討し、今後の基本計画で決定する。基本構想の策定はオオバが担当した。