大阪市/6重点地区に個別方針、都市の顔にふさわしい緑の再構築へ

2025年7月10日 行政・団体 [10面]

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 大阪市は市の玄関口やにぎわい拠点となる六つの地区で、それぞれの地域の特徴に応じた緑化の方針をまとめた。再開発に合わせた大規模な緑の空間づくりやビルの屋上・壁の緑化、市民・企業との協働による管理体制の構築などを組み合わせて“大阪の顔”にふさわしい緑の再構築を目指す。7日に公表した「緑の基本計画」改定案に盛り込んだ。
 対象地区は「新大阪・大阪」「なんば・天王寺・あべの」「大阪城周辺」「御堂筋周辺」「中之島周辺」「夢洲・咲洲・舞洲」の6地区。大阪・新大阪地区のうち大阪エリアでは大阪駅北側のうめきた2期区域に約8ヘクタールの緑地を整備し、水辺や公園、ビル敷地内の緑などが一体となった“みどりの核”をつくる。南側では街路樹や公開空地などの既存資源を生かしつつエリアマネジメント団体などと連携した日常的な管理体制を構築する。
 新大阪エリアでは新幹線の新駅や民間開発と合わせて駅周辺の緑を増やすとともに、街路樹や屋上・壁面の緑化により、淀川へとつながる緑の流れを強める。
 なんば・天王寺・あべの地区は都心南部のにぎわい拠点として、天王寺公園や沿道の緑、路面電車軌道の芝生化などを組み合わせて緑を広げていく。
 大阪城周辺地区では大阪城公園を中心に、京橋OBP(大阪ビジネスパーク)・天満橋・森之宮など周辺エリアのまちづくりと連動。歴史や文化、水辺の環境と一体となった緑のネットワークを広げる。
 御堂筋周辺地区ではイチョウ並木を生かしながらビル敷地内の公開空地などとつなげて、緑が続く歩きやすい道づくりを進める。
 中之島周辺地区は堂島川・土佐堀川の両岸にある中之島公園を軸に水辺と緑を生かすまちづくりを展開。川沿いの遊歩道整備や建物の屋上緑化、市民が参加できる取り組みを支援する。
 夢洲・咲洲・舞洲地区では万博やIR(統合型リゾート)の開業を見据え、非日常感やにぎわいに対応した緑の演出を図る。舞洲ではスポーツやレクリエーションと調和した活用、咲洲では住宅や商業施設のある暮らしの場としての緑の維持と創出に取り組む。
 改定案は2026年度から10年間を計画期間として、基本理念「一人ひとりが輝くみどりのまちづくり」に沿った緑化に取り組む。