愛知県/常滑高校跡地に美術品の共同収蔵庫整備/12月めどに整備推進計画公表

2025年7月23日 工事・計画 [7面]

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 愛知県は22日、県美術館と県陶磁美術館、県立芸術大学の共同収蔵庫を常滑市内に建設すると発表した。12月をめどに施設の機能や概要などを盛り込んだ整備推進計画を公表する予定。事業スケジュールなど詳細は未定だが、2030年度の完成を目標に進める。美術品などの保存、収集を目的とした共同収蔵庫の整備は全国初としている。
 同日の会見で大村秀章知事が明らかにした。4月1日現在の各施設の所蔵作品数は県美術館(名古屋市東区)が約9100件、県陶磁美術館(瀬戸市)は約8800件、県立芸術大学(長久手市)は約1900件。各施設が収蔵・保存機能を有しているが、徐々に余裕がなくなってきたため、数年前から共同収蔵庫の検討を進めていた。
 建設地は複数の県有地から選定し、元県立常滑高校敷地(常滑市奥栄町1の168ほか)を候補地とした。敷地面積は約5・9ヘクタール。十分な敷地が確保できることに加え、標高が約20メートルあり水害による収蔵品の毀損(きそん)の恐れが少ない。アクセス性も良く、周辺には民間や公共の文化施設もあるため、相乗効果による地域活性化も期待できる。
 現在、PwCアドバイザリーに委託し整備推進計画の策定作業を進めている。施設の概要は今後詰めるが、収蔵環境を一部公開するなど開かれた施設とすることも検討している。事業手法なども合わせて検討し、順調に進めば年末に整備推進計画を公表する。