三重県四日市市/大学基本計画案、看護医療大移転なら工事費最大380億円

2025年7月25日 工事・計画 [7面]

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 三重県四日市市の四日市市大学基本計画策定委員会の谷口研二委員長(大阪大学名誉教授)は23日、JR四日市駅西側(本町2ほか)に設置する大学の基本計画案を森智広市長に手渡した。駅前への移転を検討している四日市看護医療大学を合わせて整備する場合の工事費は約350億~380億円、含めない場合は248億~268億円を想定する。市は計画案を踏まえ四日市看護医療大学との協議を進め、早期に結論を出す。基本設計を委託するための費用を補正予算で計上し、本年度中に選定手続きを開始する予定。順調に進めば2027年度に着工、31年度の開学を目指す。
 JR四日市駅に接続し、市民、学生、企業をつなぐ、まちに開かれたキャンパスを目指す。市が中心となって設置する公立大学の規模は延べ約2万4100平方メートル。協議中の四日市看護医療大学の規模は延べ約1万0400平方メートルを想定する。商業事業者や鉄道事業者と連携して商業機能(延べ約1万2000平方メートル)や駅前広場(約5400平方メートル)、駅舎、自由通路、駐車場(延べ約1万4800平方メートル)、駐輪場(延べ約900平方メートル)も整備する。
 事業手法は基本設計を進める中で決める。実施設計と施工を一括発注するDB、DBO(設計・建設・運営)またはPFIのBTO(建設・移管・運営)方式を候補としている。
 四日市看護医療大学が入る場合は、基本設計約3億6000万円、実施設計約9億7000万円、入らない場合は基本設計約2億8000万円、実施設計7億5000万円を見込む。
 工事費は、公立大学が230億~250億円、四日市看護医療大学が100億~110億円、駐車場が13億円、駅前広場が5億円と算出。商業機能の整備費は105億~115億円を想定し、商業事業者が負担する。自由通路などの費用は鉄道事業者が検討中。
 公立大学の収容定員は800人。学部、学科は素材や半導体、情報などの分野を設定した。国立三重大学が入る場合も全体で800人となるよう定員を配分する。四日市看護医療大学の収容定員は600人としている。