広島県尾道市は7月31日、旧南小学校跡地(瀬戸田町荻)など3カ所の市有地活用に向けたサウンディング(対話)調査の結果を公表した。不動産や建設、宿泊、飲食サービス業者などが参加し、ラグジュアリーリゾート開発やホテル、日本文化体験施設の整備、周遊型観光体験事業などの提案があった。旧育雛場(御調町公文大谷)は提案者がいなかった。
旧南小跡地は、旧瀬戸田荻ふれあい会館を含めた敷地が約1万5160平方メートルあり、建物はW造校舎2棟など総延べ約2090平方メートル。対話には7者が参加した。
不動産業者は国内外の富裕層を想定し、ラグジュアリー体験や文化、食、自然の癒やしを融合したリトリート体験を提供するなどリゾート開発を提案。土地と建物を購入して新たな施設を整備する。別の不動産業者は建物の面影を残したままで家族やグループ向けの「地方共創型ホテル」として活用するアイデアを出した。
建設業者は既存建物を解体し、海に面した立地を生かした1棟貸しのヴィラを中心としたグランピング事業を提案。宿泊・飲食サービス事業者は建物を改修するとともに、島内から古民家を移築し、日本文化を世界に発信する体験施設を設ける。
別の宿泊業者からは因島フラワーセンター(因島重井町、敷地約2万1700平方メートル)を含めた提案が出され、フラワーセンターを宿泊施設、小学校などを美術館や飲食店、宿泊施設の複合施設として活用。自転車やフェリーを利用して向島や因島、生口島を周遊する体験を広め、地域全体が活性化する観光体験を提供する。建物は可能な限り維持することを前提に修繕や改築を行う。
因島フラワーセンターは同者を含めて2者から提案があった。
市では事業者からの提案内容を基に、対象財産の活用方針や活用事業の実施に向けた事業者の公募を検討する。