静岡市/清水庁舎整備方針案/清水駅東口公園で移転新築

2025年11月6日 工事・計画 [8面]

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 静岡市は、清水庁舎の整備方針案を公表した。現庁舎の耐震性に関する精度の高い診断を行った上で、改修案と新築案を比較検討した結果、清水駅東口公園(元清水駅東口広場)への移転新築が優位とした。今後、市民意見を踏まえ市議会で議論し、2026年3月までに市の方針を決定する予定だ。
 清水庁舎の整備については、建設用地確保などの問題から22年度に現施設を改修する方針を決めたが、23年度に詳細な耐震診断を行った結果、22年度時点より耐震性の評価が低く設備の老朽化も想定より進んでいることが明らかになった。
 当初、約68億円の改修費を見込んでいたが、新たに判明した耐震性能と設備の状況、物価上昇などを踏まえて初期費用を試算(使用年数40年)した結果、約145億6000万円となった。年間当たりの費用は約6億3000万円。
 新築案では建設地を清水駅東口公園、規模を延べ約1万8000平方メートルとして試算(使用年数65年)すると初期費用は約177億4000万円、年間当たり約5億6000万円となり、価格面やまちづくりなど性能面でも新築が優位となった。
 清水駅東口公園での建設が可能になったのは、当時は桜ケ丘病院の駅前への移転を優先したため新庁舎に必要な用地が確保できなかった。しかし、今年8月に市とENEOSが清水駅東口の同社清水製油所跡地の一部約14ヘクタールについて地域づくりの推進に関する合意書を交わし、公園などの公的利用が可能になったことが要因。
 今後は市民意見を踏まえ市議会の11月定例会で議論を進める。移転新築の方針が決まれば、民間活力の導入や現庁舎機能の他施設への分散による面積削減などの検討を進め、(仮称)新清水庁舎建設基本計画としてまとめる。