堺市/新金岡2丁住宅跡で複合施設の形成目指す、地区計画素案で土地利用方針

2025年8月18日 工事・計画 [8面]

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 堺市は新金岡町2丁地区(北区)にある大阪府営住宅跡地約3ヘクタールで、住宅や利便施設、広場などを一体的に配置し、世代を問わず安心して暮らせる複合拠点の形成を目指す。6日に2025年度第1回都市計画審議会を開き、地区計画素案を説明した。地区計画で土地利用の方針を明確化し、民間事業者による開発を誘導する。
 対象地は府営住宅の建て替えに伴い創出された隣り合う2区画の余剰地。大阪メトロ御堂筋線・新金岡駅の北側に広がる新金岡地区内に位置し、堺市と大阪府が連携して策定した「新金岡地区活性化推進プラン」での重点エリアに当たる。高度経済成長期に整備された府営住宅の更新を契機に、周辺地域も含めた再構築を図る。府で26年度以降の売却を予定している。
 地区計画素案では、区域を「住宅地区」(約0・8ヘクタール)と「利便施設地区」(約2・2ヘクタール)に区分し、それぞれにふさわしい機能を導入する。住宅地区には一戸建て住宅や低層共同住宅などを配置し、多世代が快適に暮らせる住環境を整える。
 利便施設地区には日用品店やカフェ、医療施設、スポーツ教室などの生活支援機能を集約。地域交流やイベント開催などによるにぎわいの創出も図る。
 都市基盤の整備方針では南側を通る金岡公園東線との接続を意識し、交通や歩行者動線に配慮。広場(約2100平方メートル)や公共空地(約850平方メートル)を配置し、道路・歩道の拡幅、建築物の高さ制限(最大12メートル)や壁面の位置制限、建築用途の緩和(映画館・飲食店など)といったルールも設けた。
 今後は9月に住民説明会を開いた後、12月に案の縦覧と意見書の受け付けを行い、26年3月ごろに都市計画決定を行う見通し。市の担当者は「公的住宅の更新と民間開発を組み合わせ、魅力ある都市空間を形成することで、地域全体の価値向上につなげたい」としている。