建設技能人材機構(JAC、三野輪賢二理事長)はインドネシア政府と、建設分野の人材育成で協力するための相互合意を締結した。特定技能外国人の候補者となる学生などを対象としたPR活動や人材育成を強化。他産業分野に先んじて相手国政府と協調した外国人材の確保策に乗り出す。JACが同国内で行う「建設業務説明会」のオンライン化なども検討。同国政府が準備している海外で働く就労者の育成拠点の整備とも連動し、建設技能や日本語能力、労働安全衛生の知識向上を支援する。=2面に関連記事
同国政府で移民などの海外就労者の保護行政を所管する海外労働保護省のアブドゥル・カディル・カルディン大臣ら幹部が来日し、25日に東京・霞が関の国土交通省を訪問した。担当部局となる海外就労機会促進活用総局のドゥウィ・セティアワン・スサント総局長と、JACの三野輪理事長が相互合意の締結書に調印した。国交省の国定勇人政務官が立ち会った。
建設分野の特定技能外国人は4万人を超え、同国からは約5000人を受け入れている。JACは同国を人材確保の重要ターゲット国と位置付ける。建設業の仕事内容や安全対策を紹介する「建設業務説明会」や、専門工事業団体と連携した人材育成支援などを展開してきた。
相互合意を契機に、より生徒レベルの周知を目的としたオンライン説明会を検討する。特定技能で来日を希望する同国人材を増やし、技能・日本語能力育成などの強化策を講じる。相互の情報提供もより密接に行う。外国人材との共生社会の創出につながる取り組みの一環で、JACは労働安全だけでなく生活環境に関する広報・相談サービスを提供する方針だ。
国定政務官は、外国人材の適正で円滑な送り出し・受け入れへの寄与に期待。国交省として「安全・安心に活躍できるよう引き続き取り組む」と話した。カルディン大臣も「人材を送り出す側として、今後より質の高い人材の提供に努める」と応じた。