国交省/市区町村一部は設計労務単価適用せず/歩切りは毎年調査、予定価格適正化徹底

2026年1月7日 行政・団体 [1面]

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 地方自治体などの公共発注機関で予定価格の積算に最新の公共工事設計労務単価を適用していないケースがあることが、国土交通省の調査で分かった。市区町村は約3%に当たる57団体が最新単価を適用していないと回答した。適正な労務費の確保を目指す改正建設業法の施行も背景に、国交省は公共工事の予定価格の適正化に向けた働き掛けを強めている。設計金額の一部を切り下げて予定価格にする「歩切り」の実態も毎年把握し、個別に改善を促す意向を示している。
 設計労務単価の適用状況は、公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づく2025年度の実態調査(入契調査)で初めて設問に加えた。公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)や入契法適正化指針といった法令上は、予定価格の設定で「市場における労務の実勢価格」を反映するよう求めている。実質的に設計労務単価を適用した積算を義務付ける内容で、最新単価を適用しないのは「(法令上)そぐわない」(国交省建設業課)と判断できる。
 入契調査に対する公共発注者の25年6月1日時点の回答によると、国や都道府県・政令市は全団体が最新単価を適用していた。特殊法人などの8団体と市区町村の57団体が未適用で、以前の単価などを用いていた。ただし一部は最新単価に改定済みのケースも確認されており、国交省は最新単価の適用を広く要請しながら、個別の現状把握と働き掛けを視野に入れる。
 自治体発注工事での歩切りは、以前に増して再発防止を徹底する。過去にも歩切りはいったん根絶しても再発が報告されてきた。25年1月の最新調査によると30団体で再発が判明。これに基づく改善要請と追跡調査、個別ヒアリングを通じ、同9月までに再度の根絶(25年度中に対応予定の団体も含む)を確認した。今後は実態調査を毎年行う考えだ。資材単価に不透明な乗率を設定する「単価歩切り」も歩切りと同じ結果を招くとして慎むよう周知する。
 直轄工事と比べて発注ロットが小さいことや地域特有の事情から、独自の歩掛かりを設定している自治体の調査にも取り組んでいる。現場実態に合った歩掛かりを設定し、予定価格の正確な算出につなげている好事例を年度内に整理し、水平展開する狙いがある。25年度の入契調査によると都道府県21団体、政令市11団体、市区町村115団体が独自歩掛かりを作成していた。