関東エリアの1都8県5政令市で、発注工事にICT活用を指定する動きが活発化している。各自治体を対象に関東地方整備局がICT土工の実施率を調査。2021年度以降の3カ年はほぼ横ばいだったが、24年度の平均値は43%だった。自治体の実施率がアップした背景として同局は、「地道な取り組みが実施率向上につながった」と分析する。
調査結果は、関東整備局や9都県と5政令市で組織する「関東DX・i-Construction推進協議会」が27日に開いた会合で明らかにした。各自治体にICT土工の実施率やICT施工の経験を聴取し分析した。
自治体を対象にしたICT土工の実施率は▽21年度=33%(契約済み件数1220件)▽22年度=33%(2016件)▽23年度=30%(2490件)-とほぼ横ばいだった。24年度の実施率は43%(2140件)と初めて4割を超えた。
直轄工事は21年度が87%(310件)、22年度は91%(261件)、23年度が87%(271件)と続き、24年度が88%(252件)と2番目に高い水準だった。
実施率が上昇している点について、関東整備局は「ICT土工関連の講習会を開くなど各発注機関の取り組みが奏功している」と評価する。同協議会内で各自治体が取り組みを共有していることも「いい意味で競争関係になっているのでは」(企画部)と分析する。
直轄工事の受注企業(3287社)のうちICT施工を経験したC、D等級の事業者は1921社だった。約6割が地域建設業といい、関東整備局は引き続き中小建設業者に対して普及啓発する考え。