大成建設は、建物上層部に設置した一つの加速度センサーだけで、地震発生後の構造が健全かどうか簡易判定できるシステムを開発した。構造健全性モニタリングシステム「測震ナビ」のメニューを拡充。複数の超小型センサーを使用していた従来システムに比べ導入が容易になる。建物の多様な用途や規模などに応じ、最適なシステムが選択できる。
新システムは1基の加速度センサーで観測したデータを分析し、建築物の構造に問題がないかを判定する。センサーの情報を無線通信でクラウドサーバーに送信。配線工事や1階部分のセンサー設置が不要になり、限られた建物内の占用スペースで運用できる。
複数のセンサーを設置していた従来システムとほぼ同等の機能を備える。建物の規模や用途などに応じてシステムのメニューを使い分けることが可能。複数建物を所有する場合、地震発生後に複数建物で構造健全性が迅速に判定でき、BCP(事業継続計画)の早期立案に役立つ。
新システムは15層までの中低層建物を対象に、日本建築防災協会の「応急危険度判定基準に基づく構造モニタリングシステム技術評価」を取得済み。1基のセンサーで構成するモニタリングシステムが同技術評価を取得するケースは初めてだ。