三宮センター街周辺再整備/南北で議論本格化/商業ビル建て替えへ神戸市が支援

2025年9月9日 工事・計画 [12面]

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 JR三ノ宮駅南西側のアーケード通り・三宮センター街(神戸市中央区三宮町)に面する複数の老朽商業ビルの建て替えに向けて議論が本格化する。アーケード北側の「さんプラザ」「センタープラザ」「センタープラザ西館」の区分所有者らが7月、一体的な建て替えを前提に再開発協議会の設立を目指す準備会を立ち上げた。南側の「第2・第4防災ビル」も区分所有者らが2023年12月に再開発協議会を設立し、事業計画の検討などが進む。神戸市がコンサルを通じてこれらの地元組織を支援しており、建て替えの実現に向けて合意形成につなげたい考えだ。
 アーケード北側で隣接する3棟の敷地面積は計約1・6ヘクタール。規模は東側から「さんプラザ」(1970年建設)が地下2階地上6階建て延べ約4万1000平方メートル、「センタープラザ」(75年建設)が地下2階地上19階建て延べ5万5000平方メートル、「同西館」(78年建設)が地下2階地上8階建て延べ3万3000平方メートル。さんプラザは当初10階建てだったが、阪神・淡路大震災で被災し減築された。現状、さんプラザと西館の2棟が耐震性で課題を抱える。3棟は計414者が区分所有し、指定管理を神戸市の外郭団体である「神戸サンセンタープラザ」が担当。市も区分所有者として参画している。
 20年度に3棟の区分所有者で検討会を立ち上げ、建て替えまたは大規模改修を議論。駅周辺で活発化する三宮再整備を背景に建て替えに向けた機運が高まり、7月の準備会設立に至った。今後、専門家の助言を得ながら事業手法などを検討し、協議会への移行を目指したい考えだ。
 神戸市は22年度からコンサル費の一部補助などで検討会を支援。コンサル業務を都市・計画・設計研究所が担当している。
 南側の「第2・第4防災ビル」(1976年建設、敷地3300平方メートル)の規模は地下1階地上8階建て延べ2万0600平方メートル。約50者が区分所有し、建物は耐震性を満たしていない。
 19年度に市の支援で同ビルの再整備を検討する勉強会を設立。「まちづくり専門家派遣制度」を活用し、日建設計がコンサル業務を担当している。21年度の再開発協議会の発足以降、合意形成に向けた意向調査や事業計画検討を進めている。
 このほか、三宮センター街周辺エリア全体の将来的な在り方を検討する「まちづくり検討会」が、同エリアの地権者らで24年6月に発足。まちづくり勉強会を重ね、25年度中に方向性を取りまとめる予定だ。