土木学会(池内幸司会長)は24日、2025年度「土木学会選奨土木遺産」として19件を選定したと発表した。国内で初めて張り出し架設工法で建設された「嵐山橋」(神奈川県)や大口径放流管を備えた国内初の本格的な洪水調節ダム「大野ダム」(京都府)などを土木遺産に認定。00年度に創設した選奨土木遺産は累計550件になる。=2、11面に関連記事
同日、土木学会選奨土木遺産委員会の小野田滋委員長(鉄道総合技術研究所)と三輪準二専務理事が会見した。小野田委員長は「前回の14件から19件に増えた。これまで戦前の土木構造物が選ばれていたが、戦後の昭和遺産的な構造物が選ばれていると実感している。もっと素晴らしい土木構造物があることを示し、国の重要文化財などに選ばれることも重要だ。明治以前の時代の土木構造物も検証が重要と思っている」と講評した。
選奨土木遺産の対象は竣工から50年以上が経過した土木関連施設。社会や土木技術者へのアピール、まちづくりでの活用、失われかねないストックを救済・保護する観点で、毎年度20件程度を選定し青銅製の銘板を贈る。表彰式は各支部で土木の日(11月18日)などの行事に合わせて開く。