大成建設の相川善郎社長は26日、東洋建設に対する株式公開買い付け(TOB)が成立したことを受け、「迅速かつ着実にシナジー(相乗効果)施策を実行する」とのコメントを発表した。「大きな節目を迎えることができたことに安堵(あんど)している」と述べつつ、「ここからが本番だ」と強調した。
大成建設は30日の決済で東洋建設を連結子会社にする。海洋土木に強みを持つ東洋建設と陸上インフラを得意とする大成建設が補完関係を築き、土木・建築分野に加え、洋上風力や海外事業など多分野でのシナジーを創出する。
相川社長は「両社の強みを最大限に生かすことが最も重要だ」と指摘。東洋建設が築いてきた技術力や信頼、企業文化を尊重しながら、「役職員や協力会社をはじめとするステークホルダーとの対話を重ねていく」方針を示した。
同社は、東洋建設の海洋分野での実績と技術をグループに取り込み、成長分野での受注拡大と企業価値の向上を狙う。