奈良県立医科大学は老朽化が進む付属病院A棟(外来棟、奈良県橿原市)の建て替えに向け、基本計画案をまとめた。近鉄橿原線新駅の予定地に近い敷地南側に、既存施設を除却して建設する。2025年度に基本・実施設計に着手し、29年度の着工、31年度の供用開始を目指す。既存棟の改修工事費などを含めた概算事業費は512億円を見込む。
新A棟の規模は地下1階地上7階建て延べ約3万9000平方メートルを予定。免震構造とし、現A棟の外来機能や指定感染症外来・病棟の機能を移設する。患者総合支援センターを設置して各種相談や入退院手続きなどの窓口機能を一元化するほか、日帰り手術に対応するデイサージャリーセンターを新設する。既存棟でも手術室の増室やICU(集中治療室)の増床など改修を行い、医療機能を拡充する。
新A棟建設予定地にある教育研修棟などの除却工事と駐車場整備を26年度から行い、既存棟の改修工事は新A棟完成後の32、33年度に実施する。
概算事業費の内訳は▽新A棟設計・工事監理費17億円▽新A棟建築工事費347億円▽既存棟改修工事費など66億円▽医療機器などの整備費30億円▽その他除却工事、駐車場整備費など52億円。
基本計画策定業務はシステム環境研究所・明豊ファシリティワークスJVが担当した。