関東地方整備局は、自律走行ロボットが河川堤防の草を刈り取るデモンストレーションを、21日に埼玉県三郷市の江戸川河川敷で行った。除草面積や走行時の折り返し地点などが分かる3D除草面積展開図(3D展開図)の座標データを入力すると、ロボットが自走しながら自動で除草する。人力よりも作業人員が少なくて済む。関東整備局は12の河川事務所で3D展開図を作成し、除草の自動化を目指す。
自律走行型の除草ロボットは、金杉建設(埼玉県春日部市、吉川祐介社長)とモア・オートメーション(同春日部市、小林一年代表取締役)、アクティブソリューション(横浜市鶴見区、島村明代表取締役)の3社が開発した。GNSS(全球測位衛星システム)アンテナやLiDAR(ライダー)、カメラなどで構成する自律走行用ユニットを市販の除草機械に取り付ける。
除草ロボットに必要な3D展開図には、自動算出した除草面積やロボットが行き来する時の折り返し地点、刈り取り箇所の座標データを集約している。自律走行用ユニットを通じて座標データをロボットに入力する。タブレット端末を使えば除草の遠隔管理も可能。3D展開図は5年周期で更新する。
デモは河川の維持管理を行っている金杉建設や河川財団(小俣篤理事長)らの協力で行った。発注機関の職員約130人が参加。自律走行用ユニットを後付けして自走するハンドガイド式マシン1台と、作業員1人がマシンに乗り込んで行った。従前に比べ作業効率や経済性がどれだけ向上したかや実機運用に伴う課題を抽出した。
関東整備局は引き続き堤防での検証を進め、猛暑日などで行われる除草作業の効率化と省人化を目指す。
除草ロボットに使用する自律走行用ユニットは、モア・オートメーションが来春にも数量限定で販売する予定。人材不足に悩む地方の建設会社や飛行場などに営業活動する考えだ。