今季初の鳥インフル確認/地域建設業が防疫作業着手/「地域の守り手」役割果たす

2025年10月23日 行政・団体 [1面]

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 北海道白老町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの感染が22日に確認されたことを受け、地元の建設会社が防疫作業に入った。北海道はこの養鶏場で飼育されている採卵鶏約45・9万羽の殺処分を決定。道胆振総合振興局が防疫協定を結ぶ胆振土木協会に作業を依頼し、丸幸鈴木建設工業(白老町)が準備工に着手した。建設業界が「地域の守り手」としての役割を果たす。
 国内の養鶏場で発生したのは今季初めて。北海道によると、殺処分対象は道内で飼育されている採卵鶏の約8%。半径10キロ以内の養鶏場4戸、計約62万羽を対象に移動や搬出も禁止する。
 道は同日午前、対策本部会議を道庁で開き、防疫計画案を確認した。作業シフトは8時間の3交代制で、常時約120人(道職員、民間事業者・関係機関)を動員する。殺処分(9日間)、埋却(12日間)、鶏舎施設の清掃・消毒(11日間)の各作業を11月2日までに終える。半径10キロ以内の制限区域を含めた防疫措置が終了するのは11月下旬になる見通し。
 鈴木直道知事は対策本部会議前に、鈴木憲和農林水産相と電話で協議し、「国と緊密に連携することを確認した」と明らかにした。
 政府も同日午前、関係省庁で緊密に連携するため、首相官邸で関係閣僚会議を開催。木原稔官房長官は「6シーズン連続の発生だ。毎シーズン、これから(の時期に)本格化する」とし、厳重な警戒を呼びかけた。
 これに先立ち、鈴木農水相は同省で開いた防疫対策本部で「今後、全国どこで発生してもおかしくない状況だ」と警鐘を鳴らした。全国の養鶏業者らに対し、発生予防とまん延防止に万全の対策を講じるよう要請した。