神奈川県横須賀市は23日、「浦賀駅前周辺地区活性化事業」のパートナー選定手続きで、優先交渉権者をインデックスが代表のグループ「Team Perry’s」に決めたと発表した。ホテルやマンション、商業施設、スポーツ施設、ミュージアムなどを備えた、海の観光を中心とした集客拠点の創出を提案した。12月ごろに市と住友重機械工業、優先交渉権者が三者協定を結ぶ。2026、27年に都市計画変更や民有地の所有権移転などの手続きを行う。27、28年に実施設計と基盤整備、建築工事を進め、29年以降の段階供用を目指す。総事業費は1000億円超える見通しだ。
グループは17社で構成する。代表のインデックスはプロジェクトマネジメントを担当。民有地開発は▽オーシャンキャピタルパートナーズ▽リストデベロップメント▽大和リース▽木下グループ▽アップフロントグループ-の5社が担う。民有地の設計・監理業務は▽隈研吾建築都市設計事務所▽梓設計▽日本工営都市空間▽ABCプランニング▽プロパデルジャパン-の5社。
前田建設が民有地開発・建設業務を担当する。市有地活用事業の設計・監理業務は丹青社、市有地活用事業維持管理・運営業務はアクティオ。市有地活用事業開発業務は▽カルチャーアベニュー▽W TOKYO▽ホットスタッフプロモーション。
市と住友重機械工業が計画する開発事業に協力し、歴史的建造物の「浦賀レンガドック」を核とした集客・観光拠点を創出する。対象地は住友重機械工業の所有地約12・2ヘクタール(すべて売却)と市有地約2・8ヘクタール(必要に応じて賃貸借)。
提案概要によると、民有地の駅前工場跡エリアに観光を中心とした海の活用、ホテル、マンション(レジデンス)、ヴィラ(コンドミニアム)、商業施設、ペデストリアンデッキ、徳田屋パークなど公共空間を整備する。みかん山周辺のエリアはアーバンスポーツ施設、有料老人ホームなどを配置。市有地のドック周辺に海とまち共生センター(浦賀ミュージアム、カフェ、行政センター)、ドックブリッジ、親水広場・イベント広場などを建設する。観光を中心とした海の活用は関係者と協議後に公表する。
市と住友重機械工業は24年3月に「京浜急行浦賀駅前周辺地区の活性化に関する協定」を締結した。駅前周辺にある同社の所有地と、同社が市に寄贈した土地の計約15ヘクタールを一体的に利活用する。市有地部分は、国内最古といわれる大型ドライドック跡地を含む「住友重機械工業旧浦賀艦船工場」の一部になる。
市によると、浦賀ドックは1899(明治32)年の建造。れんが積みのドライドックは世界でも4カ所しか現存していないという。市は史跡として価値の高いドックと周辺区域を活用した集客施設の整備などで、地域振興につながる事業提案を求めていた。










