森ビルが手がけた「麻布台ヒルズ」(東京都港区)が29日に完成した。35年の歳月をかけ、約6000平方メートルの広場を中心にオフィス、マンション、ホテル、商業施設など多様な都市機能を集約した「コンパクトシティー」として誕生。総住戸数は約1400戸で、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズをしのぐ規模となる。敷地を東西に結ぶ新道路や歩行者用地下通路も整備され、回遊性が大幅に向上した。
敷地内には、オフィス・商業施設主体の「森JPタワー」、住宅・ホテルの「レジデンスA」などが既に建設されていた。最後の建物「レジデンスB」が29日に竣工。RC一部S造地下5階地上64階建て延べ約18万5300平方メートルの規模で、住宅以外に事務所や店舗、駐車場が入る。設計は森ビルと日建設計。三井住友建設が施工した。
レジデンスBの2~5階には68区画の小規模オフィスを配置。2階に入居者専用ラウンジを設け、利便性と快適性を両立する。6~64階には多彩な間取りの住宅(全970戸)が整い、都市生活の多様なニーズに応えている。
地下通路「セントラルウォーク」は東京メトロ・六本木一丁目駅と麻布台ヒルズを直結し、回遊とアクセスのしやすさを強化。災害時には帰宅困難者の受け入れスペースとしても活用可能で、備蓄倉庫や井戸を備え、地域の防災拠点としての機能も充実している。
麻布台ヒルズの整備は、1989年の「街づくり協議会」設立がスタート。約300人の地権者と議論を重ねながら進められてきた。着工は2019年8月、開業は2023年11月だった。









