清水建設江東ブルーシャークス/創立50周年、1部昇格を/攻めのラグビーで勝利を

2025年12月10日 企業・経営 [3面]

文字サイズ

 ラグビー・リーグワンの2025~26年シーズンが13日に開幕する。ディビジョン2(2部)に所属する清水建設江東ブルーシャークス(BS)は、基本に忠実な攻めのラグビーで勝利を狙う。1976年のラグビー部創立から来年で50周年。節目のシーズンで1部昇格に挑む。来年5月まで各地で熱戦が続く。
 リーグワン2部は江東BSを含む8チームが戦い、ホスト&ビジターでの総当たり2試合ずつ、計14試合を各チームが行う。上位2チームが1部下位2チームとの入れ替え戦に臨む仕組みは前シーズンと同じだ。7位に終わった前季からの巻き返しを目指す。
 江東BSの登録選手は55人。このうち日本人選手38人は全員が清水建設やグループ会社などに勤務している。運営を統括する豊田桃介代表理事によると、仕事とラグビーを両立するチームは1・2部通じて江東BSだけだ。豊田氏自身も清水建設の営業企画室長を務めており、「サラガーマン」の誇りを大切にしている。
 練習時間は限られる。平日は水曜を除く午後7時30分~10時、土曜は午前8時30分~11時で、プロ契約選手が多い他チームの4分の1程度だ。だからこそ、練習と業務の双方で密度を重視。練習はメニューを明確化し、仕事は選択と集中で効率化に努める。
 豊田氏が注目する選手は2人。1人は加入2年目でキャプテンに抜てきされたロックの安達航洋選手(23)。名門出身ではないが、東京学芸大学で培った粘り強さと練習姿勢、泥臭いタックルなど献身的なプレーが評価され、コーチ陣全員の推薦でキャプテンに就いた。清水建設では民間鉄道事業者向けの土木営業を担当。「サラガーマンを体現する選手」と活躍を期待する。
 もう1人は新加入のビリー・バーンズ選手(31)だ。司令塔となるスタンドオフで、アイルランド代表として活躍した経験を持つ。
 新シーズンのスローガンは「SP」。前季に課題となったスクラムやラインアウトなど、ボールが静止した状態から始まる「セットピース(SP)」の基本プレーを重視する姿勢を示す。着実にボールを奪い、攻撃の起点をつくり、連続したアタックにつなげていく狙いだ。
 前季7位とはいえ、10点差以内の接戦も多く2位の花園近鉄ライナーズを破るなど実力は拮抗(きっこう)している。1部昇格は決して遠い目標ではなく、将来の上位定着も視野に入る。
 13日の開幕戦は、11月のオープン戦で勝利した日本製鉄釜石シーウェイブズと対戦する。会場はホームスタジアムの夢の島競技場(東京都江東区)。豊田氏は「一緒に応援して盛り上げてほしい」と来場を呼び掛ける。
 江東BSの活躍は地域の活性化や社員の士気向上にもつながる。豊田氏は「清水建設やグループ会社、協力会社組織の兼喜会など関係者の一体感を生み出したい」とし、「ラグビーやスポーツを通じたまちづくりにも貢献し、それが会社にも還元されればいい」と展望を語る。
 大きな期待を背に、江東BSの新たな挑戦が始まる。