竹中工務店と鹿島、大林組、フジタは、特定用途に特化した建設ロボットシステムの汎用(はんよう)性を高める標準化技術を開発する。建設現場で使う資材自動搬送や風量測定、耐火被覆吹き付け、汎用移動の多機能化を研究開発・実証。これらのロボットシステムで共通して使えるプログラム部品の「システムインテグレーション(SI)モジュール」を開発する。ロボットシステムの開発・運用コストを削減し、業界全体の担い手不足を補完していく。
 4社はロボット分野などでゼネコンらが技術連携する「建設RXコンソーシアム」の枠組みを活用。共同提案体として、ソフトウエアの標準化技術を活用した建設ロボットシステムを研究開発する。期間は2027年度末まで。28年以降の実装を目指す。
 竹中工務店は資材自動搬送ロボットシステムとして、刻々と変化する現場環境で高精度な自律走行を目指す。鹿島は風量測定ロボットシステムで、BIM連携による自律走行型の検査・帳票作成技術を研究開発する。
 大林組は耐火被覆吹き付けロボットシステムとして、環境認識ロボットとの連携による吹き付け作業の計画修正を目指す。フジタは汎用移動ロボットの多機能化に向け作業アタッチメントを研究開発する。
 従来の建設ロボット開発は、個別用途に特化したハードとソフトが一体化されたシステムが中心。開発した技術を他のロボットに転用できないなど汎用性が低く、さまざまなロボットシステムを効率よく開発することが難しいなどの課題があった。
 4社は研究開発を推進し、新たに開発する多用途なSIモジュールを組み込んだ建設ロボットシステムの幅広い活用を目指す。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ロボティクス分野におけるソフトウエア開発基盤構築」とも連携し、より効率的で高性能なロボットシステムを目指す。新たに開発するSIモジュールを建設以外のサービス分野にも展開していく方針だ。
        










 
					 
					 
					 
					 
					 
					 
					 
					 
					