電気設備工事大手5社(関電工、きんでん、クラフティア、トーエネック、ユアテック)の2025年4~9月期決算が10月31日に出そろった。本業のもうけを示す営業利益は連結ベースで全社が過去最高を記録。関電工ときんでん、クラフティア、トーエネックは経常利益と純利益も過去最高となった。ここ数年の旺盛な工事需要を背景に受注環境が改善し、各社の好決算につながった。
 連結売上高を見ると、関電工は首都圏再開発や陸上風力発電など屋内線・環境設備工事を中心に大型案件の工事を順調に消化した。グループ会社の好業績も寄与した。きんでんやユアテックは、工場や物流施設などの一般電気工事、電力会社系の工事が順調に進展。クラフティアとトーエネックは前年同期に大型案件があり反動減となったが、手持ち工事の進展を踏まえ、26年3月期末で過去最高を見込む。
 営業利益と経常利益は全社が増加した。関電工は生産性を高める取り組みが奏功。きんでんは原価管理の徹底や手持ち工事の採算向上が寄与した。
 業績の先行指標となる単体受注高も全社が増加した。過去最高となった関電工は再開発案件がけん引した。同じく過去最高のきんでんは配電工事や事務所・ビルなどを伸ばした。
 高水準な利益確保の背景には価格転嫁が予想以上に進んでいる状況がある。だが、建設コストの高騰に伴い大型案件の延期・中止が相次げば、競争環境の潮目が変わる可能性もある。各社は市場動向を注視しつつ、資材価格や労務費の上昇に警戒しながら、生産性のさらなる向上を目指す。
        




        
        
        





