奈良県、橿原市/医大新駅周辺まちづくり/事業エリア拡大、商業施設など一体整備

2025年11月7日 工事・計画 [10面]

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 奈良県は近鉄橿原線新駅の西側(橿原市四条町)に新アリーナを建設するPFI事業について、対象区域に駅東側の3ヘクタールを加え、民間提案施設を併せて整備する方針を固めた。県と橿原市が4日、県庁で開いた第5回「まちづくり協議会」で決定した。事業名を「(仮称)医大新駅周辺まちづくり」として2026年度に実施方針の公表と事業者募集を行い、27年度に整備に着手する。
 同事業エリアを中心とした地域では、県と市、奈良県立医科大学、近畿日本鉄道が連携して県立医科大学付属病院南側地区まちづくりを推進している。県が新アリーナを建設するほか、従前の計画では駅東側にある医大の施設を撤去して付属病院駐車場を拡張する計画だった。
 今回、同駐車場の整備エリア(約1・4ヘクタール)とその南側に隣接する民有地(約1・4ヘクタール)など約3ヘクタールをPFI事業エリアに追加。駅西側のアリーナと東側の民間提案施設、駅の東西をつなぐ自由通路などを一体的に整備する方針とした。事業者は施設整備と併せて運営・管理を行う想定。民間提案施設には医大付属病院駐車場の機能を設ける。民有地は現在、地元の土地改良区が所有するため池で、市が購入を予定している。
 30年度中のアリーナ完成と新駅の供用開始予定に変更はない。事業費は未定(アリーナ単体の概算工事費は約135億円)。県、市は今回の決定で民間活力導入による事業化の可能性が高まり、地元の課題となっている渋滞対策にもエリア一体で取り組む効果が期待できるとしている。個別に実施した民間事業者へのサウンディング(対話調査)では、参入の意欲を示した事業者がいたという。