東日本建設業保証宮城支店は、東北6県の建設会社の経営実態を分析した「建設業の財務統計指標(2024年度決算分析)」を発表した。企業の収益力を総合的に表す総資本経常利益率(ROA)は6県平均で前年度比0・4ポイント減の2・75%となり、4年連続で減少。東日本平均の4・72%を1・97ポイント下回り同地区で最も低い水準となった。特に東日本大震災からの復興需要が終息した宮城、岩手両県の低迷が著しく宮城は0・61%、岩手は0・98%、と東日本平均を大きく割り込んでいる。
決算期が24年4月期~25年3月期の企業3327社を対象に収益性や活動性、健全性、生産性などのデータを集計、分析した。
東北のROAを業種別に見ると、土木建築2・65%、土木2・12%、建築0・07%、電気5・61%、管3・30%。売上高別では10億~30億円が5・83%と最も高く、5億~10億円5・52%、30億円以上5・46%、1億~5億円3・35%、1億円未満マイナス2・6%と続く。宮城と岩手以外の各県は秋田5・77%、山形3・78%、青森3・69%、福島3・34%だった。
売り上げに対し本業でどれだけ利益が出ているかを示す売上高営業利益率は、業種別で▽土木建築1・32%▽土木マイナス0・39▽建築マイナス1・95%▽電気3・01%▽管0・83%。専業の土木や建築で厳しい経営状況が浮き彫りになっている。全業種の平均は東北が0・47%で東日本の2・36%を2ポイント近く下回った。
業界全体で課題になっている生産性に関連する指標のうち、正社員1人当たりの付加価値は東北平均で1104万円と東日本平均より118万円低かった。業種別の比較は▽土木建築1285万円(前年度比2万円減)▽土木1169万円(17万円減)▽建築1021万円(21万円減)▽電気997万円(47万円増)▽管923万円(21万円増)-となった。
財務の健全性を示す自己資本比率は前年度比1・68ポイント増の48・73%(東日本平均44・32)、資金面の流動性を表す流動比率は10・19ポイント増の374・33%(330・27)でそれぞれ東日本平均を上回った。







