大阪市此花区の人工島・夢洲で2030年秋の開業を目指す大阪IR(統合型リゾート)の建設工事が順調な滑り出しを見せている。カジノやホテル、MICE(国際的なイベント)など主要施設は9月末までにすべて着工。事業用地の液状化対策や地中障害物撤去などを含む土地課題対策費は当初の510億円から479億円へ30億円ほど縮減する見込みとなった。大阪府・大阪市IR推進局が21日に現状を公表した。
施設工事は4月にカジノを含む「MGM大阪」(竹中工務店・竹中土木・錢高組・南海辰村建設・淺沼組・松村組・森組JV)と、「MUSUBIホテル」「関西ツーリズムセンター」「エネルギーセンター」「フェリーターミナル」「結びの庭」の5施設(大林組・大鉄工業・TSUCHIYA・富国建設JV)が着工。9月には国際会議場など「MICE施設」(前田建設・奥村組・三井住友建設・大末建設・前田道路JV)が着工し、主要施設が出そろった。
土地課題対策費は、23年12月に開始した液状化対策工事が当初の255億円から252億円に、24年8月から進めている地中障害物撤去工事が13億円から10億円にそれぞれ圧縮された。今後、各本体工事に合わせて行う土壌汚染対策も242億円から217億円に縮減の見通しとなった。
縮減要因について市の担当者は「施工計画の具体化に伴い地盤状況の把握や工法選定の精度が高まり、必要数量の算定がより実態に即した内容に更新された」としている。
大阪IRは大阪・関西万博跡地北側に広がる埋め立て地約49ヘクタールに計画。総延べ床面積は約73万~84万平方メートル。事業主体は日本MGMリゾーツとオリックスがそれぞれ41%を出資して設立した「大阪IR」。竹中工務店や大林組、関西電力、JR西日本など計22社が参画。初期投資額は約1兆5130億円。
年間約2000万人の来場を見込む。






