海外建設協会(海建協、佐々木正人会長)の会員企業の2025年度上半期(4~9月)海外建設受注実績(速報値)は、前年同期比62・6%増の1兆6178億8300万円だった。上半期としては過去最高を記録。22年度から1兆円規模で推移している。アジアが前年同期比85・2%増の1兆円越えとなるほか、北米も62・7%増で4000億円を超え、全体を押し上げた。
会員52社の上半期受注実績を集計した。内訳を法人別に見ると、日本の企業本体(本邦法人)が90・7%増の4076億6900万円、現地法人が54・9%増の1兆2102億1400万円だった。現地法人が上半期として過去最高となった。
地域別では、最も大きなウエートを占めるアジアが85・2%増の1兆0809億1300万円。国別で受注額が最も多いシンガポールは6384億円となった。1000億円を超える大型案件を受注し押し上げ要因となった。アジアに次ぐ主力の北米は62・7%増の4166億2400万円。米国は500億円規模の大型案件を受注し、3987億円となった。アジアと米国で受注額全体の9割を占めた。上期の国別受注ランキングでは香港が6位。香港が10位以内に入るのは18年度ぶりだが、「受注件数が増えたわけではなく、金額として増え、土木の案件を受注した」(海建協)という。
資金別推移で見ると、上半期として公共(自己資金)が民間(現地・日系企業)を初めて上回った。公共(自己資金)は、現地の政府など公共機関が発注する工事。海建協は「日本企業が現地の政府などから信用や実績を買われたことや、ローカルの企業や中国や韓国などの他国の企業と価格や品質で競争し受注に結びついている。今まで会員企業が地道に努力をされてきた成果と考えられる」と分析している。







