政府の2025年度補正予算が16日成立したことを受け、国土交通省は国の各省庁と地方自治体に公共工事の円滑な施工の確保を要請する文書を17日付で発出した。12日に全面施行した改正建設業法・公共工事入札契約適正化法(入契法)など公共工事を巡る最近の動向を踏まえ、ダンピング対策の強化や工期設定の適正化、夏場の猛暑対応に重点を置く。国交省が作成した「労務費ダンピング調査」の公共発注者向けガイドラインも参考に、建設業者が提出した入札金額内訳書で労務費が適正な水準かどうか確認の徹底を求めた。
改正入契法では労務費や必要経費を明示した入札金額内訳書の提出を義務化した。要請文書では発注者として改正法の規定に合わせ内訳書の様式を必要に応じ変更し、その内容を確認することも求めている。
ダンピング対策は既存の低入札価格調査調査と最低制限価格調査の適用工事の拡大も要請した。自治体によって適用対象工事が一定の発注金額以上などに限定されているケースがあるためだ。そもそも両調査を未導入の自治体には早急な導入の検討を働き掛ける。
工期設定では週休2日の推進への対応の充実を要請。地域の実情を踏まえ、月単位や週単位の週休2日にも取り組んでもらう。「著しく短い工期」で契約締結した発注者は業法に基づき勧告されることも改めて注意喚起。都道府県には、勧告を行う建設業許可部局と連携し、市区町村による適正な工期設定を促すよう呼び掛ける。
猛暑対応も一段と充実した対応を求める。受注者から過酷な現場環境を避けるための休工や時間変更の申し出があれば適切に対応することを付け加えた。必要に応じた工期延長や経費計上に引き続き努めてもらう。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づき、財政部局と各発注部局が緊密に連携した施工時期の平準化も要請している。
文書は不動産・建設経済局長名で、各省庁向けは財務省主計局長、自治体向けは総務省自治行政局長との連名となる。








