大気社、日立ら/蓄電池製造設備産業強化へ新会社設立/工場の次世代モデル実現へ

2025年12月19日 企業・経営 [3面]

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 大気社は蓄電池製造設備産業の基盤を強化するため、電池サプライチェーン協議会(BASC、好田博昭会長)に加盟する設備関連8社と新会社を設立する。建屋と設備、生産装置、システムを網羅する枠組みで開発や設計に関わり、製造ラインの統合ソリューションを提供する。2026年4月をめどに新会社を立ち上げ、電池工場の次世代モデルとなる「圧倒的に短期間・低コストでありながら、高品質を高次元で両立できる電池製造拠点」を目指す。
 18日に合意を発表した。新会社名は「スイフトファブ・エナジー・システム(仮称)」。大気社以外に▽西部技研▽コマツNTC▽東伸▽豊電子工業▽平田機工▽日立製作所▽リコー(リコーエレメックス)▽ジェイテクト-が出資する。本社は東京都港区内に置く。大気社は産業空調や自動車塗装プラントなどの分野で培った技術やノウハウを生かし、環境配慮型の局所化クリーンルーム、建屋・生産設備・ユーティリティー(ガス、軽油、電気、上下水道など)一体型のモジュール工法の開発などを担当する。
 蓄電池の需要は、カーボンニュートラル(CN)の実現と歩調を合わせ、世界的に増加傾向にある。国内は生産規模の拡大に多くのコストや期間がかかっている。競争力を高めるため国内で蓄電池を安定供給できる体制を整える。
 事業の成果はBASCの会員企業にも開放する予定。各社が強みを生かすことができ、産業全体で最適化された製造プラットフォームを構築する。