前田建設/グリーンカットを自動化/年間施工可能日数1・3倍増

2026年1月20日 技術・商品 [3面]

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 前田建設は、ダム工事のコンクリート打設後に作業する「グリーンカット」の自動施工マシンを開発した。2025年8月に岐阜県郡上市で施工する「内ケ谷ダム本体工事」(発注者・岐阜県)の堤体工で試行したところ、現場の通信環境だけで自動施工が可能であり、良好な品質が確保できることを確認した。年間施工可能日数を従来工法に比べ1・3倍程度に増やし、省人化やコスト削減などに効果を発現する。
 グリーンカットは、ダムコンクリ打設時にセメントや骨材の微粒子が表面に浮き上がることで作られるレイタンス層を、人力によるブラシや機械のウオータージェットなどで削り取る作業。コンクリ打設の翌日には広域な打設面を処理する必要がある。週休2日制も定着する中、現場休工日の前日にコンクリ打設ができず、休日との作業調整も課題になっていた。
 そこで自動化技術と化学的処理(打ち継ぎ目処理剤)を併用し、現場休工日前日の生コン打設を可能にする「自動グリーンカットマシン」を開発した。英McConnel社製の「ROBOCUT」をベースマシンとし、前田製作所が製作した専用アタッチメントを搭載。GNSS(全球測位衛星システム)やウェブカメラ、通信機器、制御PCを組み合わせ、「自動施工モード」または「遠隔施工モード」の2種類に切り替えられる。
 自動施工モードは、事前に設定した施工ルートをタブレットから制御コンピューターに送り開始ボタンを押すだけで施工できる。
 現場試行では、無線LANだけの現場通信環境で自動施工に対応し、自動施工部・遅延剤散布部ともに良好な打ち継ぎ面の品質を確保した。遅延剤の散布により、休日前のコンクリ打設でも品質には支障がないことを確認した。
 今後、グリーンカットの実作業から品質判定に至る一連の工程で、自動で行うシステム開発を目指す。