インタビュー/東京都町田市長・稲垣康治氏に聞く/医師の経験生かし病院改革

2026年4月20日 行政・団体 [4面]

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 2月の市長選で初当選した東京都町田市の稲垣康治市長は10日、日刊建設工業新聞などの取材に応じ、市政運営の今後の方針を明らかにした。医師出身の経験を生かした病院改革や、中心市街地の魅力向上に注力する。3月には「(仮称)国際工芸美術館の計画見直し」を決めるなど、市政に新たな動きが出始めている。同市の市長交代は20年ぶり。石阪丈一前市政を継承しつつ「『独自色』を出していく」と意気込む。
 --就任の抱負を。
 「市民の健康、教育の推進、地域の活力を3本の柱に掲げ、『誇れる町田』を実現する。まずは救急医療体制を充実させる。市民病院への救急科設置を視野に病院と協議を進める。ベッド数は十分確保できており、組織改革で改善できると考える」
 --町田市の特徴をどう捉えている。
 「中小企業が力を合わせ、商業で発展したのが町田だと感じている。今も個人の商店など個性的な店舗が駅前にも見られる」
 --まちづくりへの姿勢は。
 「地域経済の発展には『稼げる町』として消費を呼び込む工夫が不可欠だ。町田駅の利用者は乗り換えが多く、まちに人が降りてこない。駅周辺に広がる中心市街地の魅力を高める。駅前にあるD地区での多目的アリーナ整備、多摩都市モノレールの町田駅延伸を見越したまちづくりに取り組む」
 --国際工芸美術館の整備計画を練り直す。
 「市民の財産を預かり展示する美術館の整備に当たっては、市民意見の尊重が重要だ。全ての意見を反映するのは難しいが、開かれた場で意見を聞くなど一度立ち止まって、計画を再検討する。建物は予算などの関係で現行の計画規模から見直す可能性もある」
 --学校改革も進める。
 「子どもの数の推計や教育環境の充実などを考えると、施設の建て替えや再編を進める必要がある。学区の見直しなどで市民の声を聞き、柔軟な姿勢で計画を進めていく。学校に限らず公共施設の再編などは前市政の方針を受け継いでいく」
 --地域建設会社とはどう連携する。
 「地域に根差した建設会社は公共インフラの維持に欠かせない存在だ。平時、災害時ともに重要なパートナーと考える。入札では制度の範囲内で市内企業を守る仕組みを整える必要性を感じる」。
 (いながき・こうじ)2000年慶応大学医学部卒。前職は稲垣耳鼻咽喉科医院3代目院長。3月から現職。東京都町田市出身。50歳。趣味は剣道など。「医師としてコロナ禍を経験し、市民が安心して暮らせるまちをつくりたい」と思ったことが、政治の道を志したきっかけという。