国土交通省は21日、昨年1月に発生した埼玉県八潮市の道路陥没事故を受け全国の下水管路を対象に実施した全国重点調査の結果(2月末時点)を公表した。対策が必要な管路延長は調査・判定を終えた4692キロのうち全国で748キロに上り、約16%を占めた。空洞は96カ所で確認され、いずれも対応を完了している。国交省は対応が必要と判断された管路について速やかな対応を要請している。
原則1年以内の対応が必要な「緊急度I」は山梨県を除く46都道府県で計201キロ。応急措置をした上で5年以内に対応すべき「緊急度II」は全ての都道府県で計547キロ確認された。
調査対象は建設から30年以上が経過した管径2メートル以上の下水管路で、全国535団体が管理する計5332キロ。このうち結果が判明したのは4692キロで、調査未了208キロ、判定未了429キロ、調査困難3キロだった。調査・判定未了箇所については、6月ごろをめどに完了する見込み。
調査困難箇所は管路内が常時満水となっている区間など。自治体からは水位が高い管路内で十分な作業環境が確保できず、ドローンを投入しても機体が墜落するなど調査が難航しているとの声もあった。
八潮市の陥没事故では、破損した下水管路に土砂が流入し大規模な陥没につながった。国交省は同3月、腐食やたるみ、ひび割れの状況をおおむね1年以内に調査するよう自治体に要請していた。
国交省は、財政と技術の両面で管理者の取り組みを支援する。昨年閣議決定された第1次国土強靱化実施中期計画に基づく支援に加え、25年度補正・26年度当初予算で改築に向けた個別補助制度を創設した。技術面では調査が難しい箇所への対応方策について、同省や国土技術政策総合研究所(国総研)による助言などを行う。
金子恭之国交相は21日の閣議後会見で、今国会に下水道の老朽化状況を評価する新たな基準を設けるなど下水道法などの改正案を提出していると説明。「自治体と連携し強靱で持続可能な下水道構築へ取り組む」と話した。






