九州整備局、土研/ロボット・AIによるインフラ点検公開/熊本市で国内初の社会実装

2026年5月29日 技術・商品 [18面]

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 九州地方整備局と土木研究所は28日、開発を進めてきた四足歩行ロボットと最新のAI技術を活用したインフラ設備点検の様子を熊本市西区の内田川排水機場で報道機関に公開した。点検を担う技術者の不足が課題となる中、設備のひび割れや異常過熱の有無、計器データの収集・整理などをロボットが代行した。定期で行う設備の年点検の一部をロボットに補完させる試みで、実際の点検で活用するのは国内初。所定の点検項目の3割をロボットが実施した。
 排水機場などの防災施設の点検を巡っては、少子高齢化の進行に伴う担い手の不足が深刻となっている。現状のままでは将来的に現在の管理水準を維持できないことが懸念される。こうした状況を受け、九州整備局は土木研究所と連携し、点検技術者の不足をロボットを自律的に制御する「フィジカルAI」によって補うことを試みた。
 同日はロボットが排水機場内であらかじめ設定されたコースに従って巡回。階段の上り下りも難なく自律的に行った。設備のひび割れ、さびの確認を搭載されたカメラで確認したほか、サーモグラフィーで設備の熱が異常な高温になっていないかなども検査した。通常、技術者が目視で行う計器の数値確認も、ロボットが数値の読み込みからデータを整理・記録するまでの全作業を自動で実施した。
 土木研究所によると、これまでにフィジカルAIによる点検の実証実験を関東で展開していたが、今回は技術の社会実装と位置付け、法定の点検内で初導入となった。土木研究所技術推進本部の上野仁士主任研究員は「ロボットが補完した作業は技術者1人分に相当する」と説明した。
 九州整備局企画部の房前和朋インフラDX推進室長はロボット自体の導入コストが高いことを課題としつつも、導入事例が増えれば「コスト面の問題もなくなる」と指摘。10年後をめどに「フィジカルAIによって点検作業の3割を自動化していけるよう、今後も導入事例を増やしたい」と語った。