国交省らシンポ/LCCO2評価制度、関係事業者が議論/経済合理性がポイントに

2026年7月15日 行政・団体 [2面]

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 政府が2028年度の開始を目指す建築物のライフ・サイクル・カーボン(LCCO2)評価制度への対応を、国土交通省と経済産業省が共催したシンポジウムで関係事業者が議論した=写真。構造躯体に使用される主要建材のコンクリートと鉄、木材の製造会社、建築主となるデベロッパーなどの代表者らが参加。現状は各建材で環境性能とコストのバランスが課題としてある。新制度が経済合理性も考慮された上で機能することを期待する声などがあった。
 構造躯体に用いる建材は、製造・建設時の二酸化炭素(CO2)排出量の半分以上を占めるとされている。評価制度に基づきCO2原単位データを最優先で整備することになっている。コンクリ関係の製造会社として参加した太平洋セメントは、CO2削減に向け代替原料や代替燃料の活用拡大の取り組みを紹介。単純な環境性能の向上に加え、高強度化での容積減や長寿命化によるライフサイクル全体の削減効果にも、目を向ける必要があると指摘した。
 日本製鉄は製鉄所の電炉転換を推進し、製造時のCO2を大幅に減らす「GXスチール」を販売する。ヒノキを扱う製材工場のサイプレス・スナダヤは、大規模非住宅の木造ビル分野の成長に期待しつつ、中小企業が多い製材業界では原単位整備が遅れていることを課題に挙げた。
 建築主を代表して三井不動産は、都心で木造ビルの開発に当たるが、CO2削減以上に社会的な価値が大きいとする。低炭素型のコンクリや鋼材は、本格導入に至っておらず「建築主として経済価値が見えていない」と指摘。エンドユーザーの共感と経済合理性の両立を普及が鍵とみる。さらに三井不が課題に挙げるのは、最近の建築費高騰だ。最大限のコスト削減を図る中、制度開始が各建材の環境価値の評価にどう影響するか注視する必要がある。
 制度では建築主の義務として一定規模以上の新築で着工前に求めるLCCO2評価結果の「届け出制度」などを設ける。当面はLCCO2の削減義務などを求めない方向だ。制度の段階的な発展に応じ、各建材の環境価値の重み付けも変わってきそうだ。
 同制度の創設を柱とする建築物省エネ法改正案は今国会に提出中。衆院は通過済みで、17日の会期末までに参院で可決されるかが焦点となっている。