東洋建設は、愛知県武豊町の衣浦港3号廃棄物最終処分場(K3最終処分場)を実証フィールドとする「CO2(二酸化炭素)回収・固定化プロジェクト」で、本年度の実証実験を開始した。場内にたまったアルカリ性の水(保有水)にCO2を溶解させ炭酸カルシウムとして固定するもので、昨年度の実験を踏まえ本年度は2種類の方法で固定化を増大する技術の向上を目指す。生成した炭酸カルシウムの効率的な回収方法や有効利用も検討する。2027年3月までに2カ年の成果をまとめる。
愛知県は、カーボンニュートラル(CN)の実現など環境分野の課題解決へ愛知発の環境イノベーションを創出・実装する革新的プロジェクトを支援している。東洋建設のCO2回収・固定化プロジェクトは24年度に採択された。埋め立て処分を行っている愛知臨海環境整備センター(アセック)の協力を得て、25~26年度の2カ年計画で実証実験を進めている。
管理型海面最終処分場は焼却灰などを搬入し埋め立てているため保有水はアルカリ性を示す。CO2は廃棄物から溶け出したカルシウムと結合し、炭酸カルシウムとなって沈殿する。埋め立て地盤や排水が中性化されることで処分場の早期廃止、跡地利用の促進につながるメリットが見込まれる。
25年度の実験で、保有水のアルカリ性が高く、水温は低い方がCO2溶解量が増加することが分かった。CO2を融解した保有水が滞留しないよう拡散したり、CO2と保有水が接する界面を揺らしたりすることも溶解量の増加につながるとした。
これを踏まえ26年度は、2種類の実証実験を行う。一つは、保有水の低層に滞留している高アルカリ性の水塊をポンプで表層に移送することで、大気中のCO2溶解量を増やす。もう一つは、低層に滞留する高アルカリ性の水塊にファインバブル発生装置で直接CO2をばっ気することで溶解量を増やす。水温の変化によって溶解量が変わるため9月、11月、27年2月の3回に分けて実験しデータを取得する。
このほか、炭酸カルシウムはカーボンリサイクル(CR)コンクリート等の材料としても有効利用できるため、効率的に回収するための実証実験も10月に開始する予定。実証実験で使用する電力は太陽光発電で賄うため、発電設備の増設も予定している。
東洋建設は、処分場をCO2の貯留施設として広く活用する取り組みを進めており、K3最終処分場の保有水では年間最大200トンのCO2固定を目標にしている。県の担当者は「独自性の高い取り組み。2年間の実証を通じ、実用化につながる成果が得られるよう引き続き支援していく」としている。









