本州四国連絡高速道路会社は15日、長大橋の局部的な補修塗装を自動化するロボットの実装に向け、明石海峡大橋(神戸市垂水区~兵庫県淡路市)で現地試験を行った。2025年度の大島大橋(愛媛県今治市)での実証を経て、3月に基本システムが暫定的に完成。今回は3Dカメラを用いたさびの認識やケレン経路の自動生成など実際の橋梁への適用を見据えた機能を検証した。点検情報と補修作業を連携させ、維持管理の省人化につなげる。
補修塗装ロボットは、将来的な技術者不足や老朽化対応に向けて21年に設置した、産官学による「自動点検・補修技術開発コンソーシアム」で開発。ロボットは自律走行型のAMR(無人搬送車)に6軸アームと昇降機構を搭載し桁外作業車に乗せて運用する。変状座標を基に対象箇所へ移動し、水洗い、塩分測定、ケレン、スプレー塗装、完了確認を持ち替えながら順次行う。施工後の写真や計測結果も記録する。
本年度はケレン工程を重点的に改良した。塗膜下のさびは1往復では残る場合があり、従来は再処理時に健全部まで削ることがあった。3Dカメラで対象面の形状と色情報を取得して残ったさびを抽出。2往復目以降は必要箇所だけの経路を自動生成し、再撮像を繰り返して過剰な研削を抑える。
3Dカメラで経路を自動生成するため、作業前にアームの動作を手動設定する「ティーチング」が不要となり、工数が大幅に削減できる。
明石海峡大橋の試験では、桁側面に貼った模擬変状画像を対象に、撮像から経路生成、ケレン、再撮像までの動作を確認。複数回の撮像データを統合し、色と形状から処理対象とツールの動作を自動算出した。ケレン時の粉じん対策として、集じん時の吸着を抑える吸気口も設けた。
26~27年度に大島大橋の箱桁で改良を進め、28年度をめどに形状が複雑で腐食環境も厳しい大鳴門橋(兵庫県南あわじ市~徳島県鳴門市)などトラス桁への展開を目指す。局部損傷の早期補修で全面塗り替え周期の延伸やコスト抑制につなげる。保全部設備課の大浦義司技術支援・高度化担当課長は「全ての補修塗装をロボットに置き換えるのではなく、ロボットと人間が適材適所で行うのが理想だ。運用体制も含めて実証を重ねていく」と意気込みを語った。
維持管理データを体系化する「次世代維持管理総合情報システム」の実用化も進める。26年度に大島大橋で運用開始した橋梁点検支援ツール「BIX-eye」の変状情報とロボットの補修・施工記録を将来的に連携し、点検から補修までの一元管理を目指す。









