論説・コラム

回転窓/コロナ禍での可能性 [2020年11月27日1面]

 コロナ禍で音楽業界が苦境に立たされている。ライブ活動の再開を後押ししようと、文化庁や日本芸能実演家団体協議会らがプロジェクトを展開中だ▼シンガー・ソングライターの松任谷由実さんは「ライブは私の人生そのもの」との思いからアンバサダーとして協力。「音楽の灯を絶やさないように一緒に進んでいきましょう」と呼び掛けている▼1979年にリリースされた松原みきさんのデビューシングル「真夜中のドア/stay w...続きを読む

回転窓/人気スポットの条件 [2020年11月26日1面]

 活気が戻りつつあった飲食街も、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて客足は低調のようだ。職場近くの飲食店は年末に向けた稼ぎ時にもかかわらず、忘年会などの予約はほとんど入っていないという▼夜の街に出歩くのを控えていたせいもあり、なじみの店の閉店や新規開店に気付かないこともしばしば。数日前、JR新橋・有楽町駅間に開業した商業空間「日比谷OKUROJI」(東京・内幸町)へ初めて足を踏み入れた▼100年...続きを読む

回転窓/おカバさま [2020年11月25日1面]

 40年前に書かれた星新一の短編小説に『おカバさま』というのがある。バカではなくカバに「お」と「さま」を付けた題名が印象的。十数年前に読んだが忘れられない▼あらすじはこう。コンピューターが決め事を判断する時代に「カバをおカバさまと呼び、大切にしろ」という指示が出る。人間はそれに従い、カバに食料を与えたり道を譲ったりと大切に扱う▼数年たつとカバは大繁殖するが、カバ中心の生活に疑問を持つ人間も現れる。...続きを読む

回転窓/働く姿は見られている [2020年11月24日1面]

 東日本大震災からまもなく10年。発災当時、小学校低学年だった世代も高校生になり進路を考える年ごろになっている▼岩手、宮城、福島での被災体験だけでなく、災害報道に触れたり、被災地を訪ねたりした経験が高校生たちの心に深く刻まれている。国土交通省と建設産業人材確保・育成推進協議会(人材協)が共催する「高校生の作文コンクール」の受賞者のうち、震災が進路を決めるきっかけになった高校生は少なくない▼本年度の...続きを読む

「ジグザグ乗り」で密回避/文京学院大学生がエスカレーターの乗り方提案 [2020年11月20日1面]

 文京学院大学に通う学生がコロナ禍のエスカレーターの安全な乗り方として「ジグザグ乗り」を提案した。1ステップを空けながら左右交互に乗ることで、前後の利用者と間隔は3ステップ空き、密を避ける。手すりにソーシャルディスタンスを誘導するデザインも考案。今後はジグザグ乗りによるエスカレーターの安全利用を啓発するとともに、デザインを試行してもらえる場所にアプローチする。
 経済学部の新田都志子教授(流通・...続きを読む

回転窓/激変した就職戦線 [2020年11月20日1面]

 2021年3月卒業予定の大学生の就職内定率が落ち込んでいる。厚生労働、文部科学両省の調査によると、10月1日時点の内定率は69・8%。前年同期比7・0ポイント減で、リーマン・ショック後に次ぐ過去2番目の下がり幅となった▼新型コロナウイルスなどで業績が悪化した企業で採用が絞られたほか、緊急事態宣言などで活動時期が後ろ倒しになった影響もあるとみられる。売り手市場で推移してきた就職戦線がここまで激変す...続きを読む

回転窓/「脱はんこ」騒動 [2020年11月19日1面]

 「脱はんこ」の動きが世間を騒がしている。新型コロナウイルスの感染拡大を機に、押印のために出社するといった旧来のビジネス慣習などを問題視。不要な押印をなくす圧力が一気に高まった▼政府の発表によると、押印を求める行政手続き全1万4992のうち、廃止を決定または廃止の方向としたのは1万4909(99・4%)。押印が必要な手続きは、金融機関への届け出印や印鑑証明が求められる自動車の新規登録などの83に絞...続きを読む

回転窓/柿の木もたぬ家もなし [2020年11月18日1面]

 実家が空き家になって3年近くたつ。今年はコロナ禍で帰省ができず、どうなっているのか心配だったが、先日出張帰りにこっそりと立ち寄った▼庭は雑草で覆われ、家の壁にはツタがはっていた。半日かけて草を刈り、伸びた枝を切る。最後に除草剤をまいたが効果はいつまで続くものやら。主を失った家は荒れる一方だが、庭先の柿の木だけは何もなかったように多くの実を付けていた▼柿は日本発祥の果物とされるが、今では世界中にあ...続きを読む

回転窓/やれば、できる [2020年11月17日1面]

 素粒子ニュートリノの観測に成功し、2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊東京大学特別栄誉教授が12日に94歳で亡くなった▼理論的に存在が予測されていたが、誰も観測できずにいた謎の物質ニュートリノ。小柴さんが東大助教授に就いたのが1958年。70年に教授になったというから、長きにわたって研究に打ち込み世紀の発見にこぎ着けた▼超新星爆発で生じたニュートリノの観測を支えたのが岐阜県飛騨市の神岡...続きを読む

回転窓/工夫ある情報発信の効果に期待 [2020年11月16日1面]

 季節が進み東京近郊の低山の木々も色づき始めた。都県境の山奥にある高速道路の渋滞対策工事の現場には、山菜採りやハイキングで山に入った人がひょっこり訪れることがあるという▼高速道路の工事は、人里から離れた現場が少なくない。愛らしい動物とともに2メートルの大蛇に遭遇してしまうこともあるが、移ろう季節を間近に感じて仕事ができるのが楽しみの一つなのだと現場関係者が話してくれた▼この工事の発注者は初めての現...続きを読む

回転窓/社員と企業の関係性 [2020年11月13日1面]

 個人と企業、社会の新しい関係をつくる-。電通がそうしたコンセプトを掲げた「ライフシフトプラットフォーム」と呼ぶ取り組みを始める▼新しい挑戦を目指すミドル世代の社員を後押しする試み。希望者は電通を退職して個人事業主となり、同社が設立する新会社と業務委託契約を結ぶ。電通からは一定の業務が10年間与えられる▼50代で役職定年になって活躍の機会が減り、やる気も減退…。そうした場面が日本企業には少なくない...続きを読む

回転窓/隠れたストーリー [2020年11月12日1面]

 近ごろ「エシカル(ethical)」という英語をよく耳にする。直訳すると「倫理的な」「道徳上の」といった意味を持ち、多くの人が正しいと思っていることを指す▼貧困や人権、気候変動などの世界的課題の同時解決に向け、「エシカル消費」が注目を集めている。消費者庁は、地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動と定義する▼国際協力機構(JICA)は無印良品を展開する良品計画と連携し...続きを読む

回転窓/コロナ下でのアイデア [2020年11月11日1面]

 「拾えるものは根こそぎ拾ってやれ」。横山秀夫の小説『臨場』に登場する検視官である主人公の口癖だ。テレビドラマになったのでご存じの方も多かろう▼臨場はその場所に臨むとの意だが、警察組織では事件現場で初動捜査に当たることを指す。余り聞き慣れない言葉だが建設業界でも最近よく耳にする▼「遠隔臨場」。ウエアラブルカメラなどによる映像と音声の双方向通信を使用して、事件現場ではなく建設現場で段階確認や材料確認...続きを読む

回転窓/訴える力 [2020年11月10日1面]

 米大統領選は7日に民主党のジョー・バイデン前副大統領が勝利を確実にした。現職のドナルド・トランプ氏は敗北を認めておらず、司法に場を移して徹底抗戦の構え。先行きは今なお不透明だが世の中の流れは新大統領誕生に傾いている▼バイデン氏が事実上の勝利宣言をした7日夜(日本時間8日午前)の演説。「分断ではなく団結を目指す大統領になることを誓う。赤い州でも青い州でもなく合衆国だけを見る」と訴えた姿は多くの人の...続きを読む

回転窓/美しい風景の復旧を [2020年11月9日1面]

 風の台風15号に続き大雨の台風19号に見舞われた昨年と打って変わり、今年は7~10月の台風シーズンに台風の上陸が一つもなかった。だが7月豪雨が全国各地に爪痕を残した▼早期の復旧・復興とともに事前の防災対策の重要性がますます高まっている。災害に備え機能を強化しつつ、自然と調和するよう風景も整える、そんな災害復旧事業が戦後すぐに実現している▼1945年9月の枕崎台風で被災した「史跡名勝厳島」(広島県...続きを読む
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