論説・コラム

回転窓/危機管理のプロに学ぶ [2018年10月18日1面]

 「世間の耳目を集めた警備事案で陣頭指揮を執られ、危機管理のプロとして大いに活躍された」-。今月10日に死去した初代内閣安全保障室長で評論家の佐々淳行氏を悼み、菅義偉官房長官が記者会見で述べた言葉である▼警察庁時代に東大安田講堂事件やあさま山荘事件などの現場で指揮を執った。退官後は危機管理に関わる評論や執筆活動で活躍し、7年前、本紙インタビュー連載「国のかたちを考える」にも登場いただいた(11年1...続きを読む

三井住友建設/本社受付の壁面パネルを更新/社員の顔写真でモザイクアート [2018年10月18日3面]

 三井住友建設は東京都中央区の本社受付横にある壁面パネルを5年ぶりに更新した。イラストレーターのイクタケマコトさんが描いた街のイラストを背景に、社員約2900人分の顔写真を使って同社の代表的な施工物件である橋や超高層ビルをモザイクアートで表現した。
 壁面パネルは同社のコーポレートメッセージである「はしも、まちも、ひとも。」をテーマに制作した。制作に当たっては、海外支社を含む全社員に声を掛け、写...続きを読む

回転窓/観光立国への投資 [2018年10月17日1面]

 秋の行楽シーズンは観光地にとってかき入れ時。地震や豪雨被害があった北海道や西日本地域では客足が遠のくことも心配されたが、被災インフラの復旧は進んでおり、集客に力が入る▼観光地をつなぐ交通インフラでは高速道路に点在するサービスエリア(SA)も地域の観光資源として存在感を増している。人気の飲食店や地元名産の物販店などが入る商業施設、アメニティー空間やアトラクションなど複合施設への再整備が進む▼17年...続きを読む

回転窓/読み間違えと文章校正 [2018年10月16日1面]

 「みまなさに だじいな おらしせ」で始まる広告のキャッチコピーがネットニュースなどで話題を呼んだ。富山県の和菓子店が看板商品のどら焼きのリニューアルを告知するためにとった広告戦略で、売り上げと認知度の両方が一気に高まった▼文字が入れ替わっていても補正して文章を読むことができる人間の認知の特性を逆手に取ったこの広告キャンペーンは大成功を収め、10日間で5万9200個の売り上げがあったという▼文字が...続きを読む

回転窓/パラリンピックのレガシー [2018年10月15日1面]

 ミニバンタイプのタクシーを街でよく見かけるようになってきた。通常料金で誰もが普通に使えるUD(ユニバーサルデザイン)タクシーのマークが付いており車内空間や乗降口が広いのが特徴。高齢者や車いす使用者などが利用しやすい移動手段だ▼都内や近県では2020年東京五輪・パラリンピックの開催に向け、公共の交通機関や建築物などを中心にバリアフリー化が進んでいる。この動きをさらに広げ全国でバリアフリーの街づくり...続きを読む

90周年特集/日本建設業連合会会長・山内隆司氏に聞く/建設業界の進むべき方向性は [2018年10月15日3面]

 ◇覚悟を持って改革にまい進/先達に負けない生産活動の改革を
 社会情勢が目まぐるしく変わる中でも、建設産業にはこれからも社会資本整備や地域・街づくりに携わる基幹産業としての役割を果たしていくことが期待されている。現在、高齢化と生産年齢人口の減少という大きな変化に直面し、建設技能者の処遇改善や働き方改革、生産性向上をどのように実現して今後の安定成長への道につなげていくのか。「業界の命運を懸けて取...続きを読む

回転窓/備えあっての災害対応力 [2018年10月12日1面]

 チェービー(つばめ)は、近畿地方に大きな被害をもたらした台風21号。チャーミー(バラ科の花の名前)は、JR東日本が首都圏全域で初の計画運休を実施した台風24号▼北西太平洋、南シナ海で発生する台風は、日本を含む14カ国・地域が加盟する台風委員会が2000年から固有の名前を付けている。各国の提案で用意された140個の名前を順番に命名。ダムレイ(象)から始まり、おおむね5年間で一巡する▼日本の提案はテ...続きを読む

回転窓/行基生誕1350年 [2018年10月11日1面]

 奈良・東大寺の大仏殿建立に尽力した名僧行基。橋の建設や貯水池の掘削など土木事業でも数多くの実績を後世に残している▼土木学会が今年発売した「土木偉人かるた」にも登場。18年は行基の生誕1350年に当たり、ゆかりのある喜光寺らが、20日に奈良公園(奈良市)で「行基さん大感謝祭」を開く。行基の実像に迫り、広く知ってもらうことが狙いという▼行基の偉業をモチーフにしたスタンプラリーや、土木の体験教室などを...続きを読む

豊洲新市場開場/築地解体と環2整備が再始動/五輪後の跡地開発にも注目 [2018年10月11日1面]

 東京都が築地中央卸売市場(中央区築地)の移転先として整備していた豊洲新市場(江東区豊洲)が、11日に開場する。これを受け、中断していた築地市場の既存施設解体と、解体跡地を通過する都道環状2号の整備が再始動する。都が2020年東京五輪閉幕後に着手する市場跡地再開発も、方針検討が佳境に入りつつある。再開発参入を目指す民間事業者や地元自治体は動向を注視している。
 築地市場は6日に閉場し、1935年...続きを読む

回転窓/「馬上」で練る考え [2018年10月10日1面]

 中国の故事にならうと、良い考えが浮かびやすい場所は〈馬上、枕(ちん)上、厠(し)上〉。北宋の学者・欧陽脩が文章を練るのに最適な場に挙げた“三上”である▼このうち馬上を現代で言えば「さしずめ通勤の電車となるかも」と自著に書いているのは評論家の外山滋比古氏。確かに電車の中で考えがまとまったり、思わぬひらめきが得られたりした経験を持つ方は少なくないだろう▼18年ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった本庶...続きを読む

回転窓/謙虚な姿勢で事態と向き合う [2018年10月9日1面]

 朝晩に感じる空気の冷たさが秋の訪れを思い起こさせる。路地や公園に根を張るキンモクセイの香りが一段と強くなったよう。植物に詳しい近所の方が貸してくれた図鑑によると、江戸時代に中国から伝来したという▼花は小ぶりでも香りは強い。たくさんの花を咲かせた大きなキンモクセイは存在感があるけれど、鉢植えにも適しているそうだ▼2週続けて日本列島は週末に台風が襲来した。今年は強い勢力のままの上陸・接近が目立ち、豪...続きを読む

回転窓/技術の発展に資する遺産 [2018年10月5日1面]

 東日本大震災による津波で大きな被害を受けた東北の海岸沿いには、被災構造物がそのまま残されている地域がある。震災遺構の保存には被災者から賛否両論が出ているそうだが、残された遺構は想像を超える津波の恐ろしさを来る者に伝える▼土木学会が18年度選奨土木遺産に「阪神・淡路大震災による被災構造物群」を選んだ。特定の歴史的構造物ではなく、複数の震災遺構群を認定する初のケース▼選定に当たった関係者は「被災構造...続きを読む

回転窓/「引退」の美学 [2018年10月4日1面]

 最近世間をにぎわすキーワードに「引退」が思い浮かぶ。芸能界やスポーツ界などから、一時代を築いた実力者が相次いで表舞台から退いている▼進退を決した理由は異なるのだろうが、これからも活躍が期待されていた中での引退劇に周囲からは現役続行や慰留を求める声が聞かれる▼業界問わず、引き際は本人が自らの意思で決断するケースが多く、絶頂期に突然引退したり、体力の衰えや成績低迷などに屈せず現役を貫き通したり、それ...続きを読む

北海道胆振東部地震発生から1カ月・下/本格復旧へ課題検証/指示体制の見直しを [2018年10月4日2面]

 北海道胆振東部地震で被害を受けた地域の復旧が本格的に動きだす。政府は9月28日の閣議で、今回の地震を「激甚災害」に指定する政令を決定。道は総額878億円の復旧・復興対策をまとめた。9月下旬には強い揺れに見舞われ大きな被害が出た厚真、安平、むかわの3町で、仮設住宅の建設が始まった。北海道の高橋はるみ知事は「北海道は冬の訪れが早い。仮設住宅整備などの対応を急がなければならない」との方針を表明している...続きを読む

回転窓/禹王の治水に学ぶ [2018年10月3日1面]

 香川県に治水の歴史を伝える菓子の特産品がある。商品名〈大禹謨(だいうぼ)〉。高松市の菓子製造販売会社「かねすえ」が地域の恩人に敬意を払うために作ったという人気の和菓子である▼〈大禹謨〉は栗林公園内に立つ石碑の文字と同じ。江戸時代に暴れ川であった香東川を改修した西嶋八兵衛が、「治水の神」とあがめられる古代中国、夏王朝の祖「禹王」にあやかり、治水の安全を願い建立した碑と伝えられる▼同様に禹王の名を記...続きを読む
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