論説・コラム

回転窓/中小企業と「国運の分岐点」 [2019年10月18日1面]

 「先進国の中で唯一、経済成長していない」「デフレからいつまでたっても脱却できない」-。今の日本経済が抱える課題ははっきりしている。直面する明確な課題に対し、その根本要因を深く追求する視点はどうやら不足していたようだ▼小西美術工芸社の社長でアナリストのデービッド・アトキンソン氏が近著『国運の分岐点』(講談社+α新書)で挙げた、その根本要因とは「中小企業の多さ」。これまでにない視点だが、分析を重ねた...続きを読む

回転窓/巨匠の働き方改革 [2019年10月17日1面]

 労働力不足に頭を悩ます企業で従来のビジネスモデルを見直す動きが目立ってきた。24時間営業を売りにしてきたコンビニエンスストア業界もその一つ。店員の採用コストの上昇傾向が続く加盟店側では、24時間営業の縮小に踏み切る店舗も見られる▼先週、最大手のセブンイレブンが加盟店オーナーから徴収するロイヤルティー(経営指導料)を見直すと発表。経営難の加盟店の負担軽減を進める一方、本部の収益力強化を目的に不採算...続きを読む

回転窓/命を守る事業 [2019年10月16日1面]

 「たられば」という言葉があるが、もし八ツ場ダム(群馬県長野原町)が完成していなかったらと、思ってしまった▼先週末、各地に豪雨災害をもたらした台風19号。関東や東北、上越などの主要河川が氾濫し床上浸水など甚大な被害が発生した。あっという間の浸水に多くの人たちが逃げ遅れ、今もなお懸命な救助活動が続く▼八ツ場ダムは「一度始めたら止められない公共事業」の代表として、建設が何度も凍結された。今年6月にコン...続きを読む

回転窓/スタイリッシュな作業服 [2019年10月15日1面]

 屋外作業が多い建設現場は温湿度をはじめ風、雨、雪などさまざまな自然環境に影響を受ける。現場で仕事をする人にとって作業服は欠かせないアイテムだ▼丈夫で安くて長持ちという、かつての作業服のイメージが最近変わりつつある。作業服や関連用品の専門店を展開するワークマンは高い機能性を保ちながら、カラフルでカジュアルな一般客向けウエアを投入。昨今のアウトドアブームもありキャンプを楽しむ人たちに受け入れられてい...続きを読む

台風15号の経験と教訓生かせ/3連休に19号上陸の恐れ/官民で事前の備え進む [2019年10月11日1面]

 台風15号の教訓を生かし台風19号にどう備えるか-。千葉県を中心に15号の爪痕が残る中、大型で猛烈な19号が12日夜にも東海や関東に上陸する可能性が高まっている。19号に備え政府は8日に関係省庁災害警戒会議を開き、15号の経験を踏まえた具体的な対策を確認し、各省庁や自治体に事前の備えを求めた。建設業界も事前に動いており、千葉県建設業協会(千葉建協)は9日、各支部に対応を指示した。
 15号が首...続きを読む

回転窓/社外取締役の役割 [2019年10月11日1面]

 世界で活躍したレーサーの井原慶子さんは、自動車産業やモータースポーツ界で女性が尊重され、活躍が歓迎される環境づくりに取り組んでいる。関連する複数企業の社外取締役という顔も持つ。日産自動車も井原さんが社外取締役を務める1社だ▼建設業を含む女性活躍の所見を伺おうと井原さんを取材したのは昨年末。当時日産は元会長の報酬虚偽記載問題に揺れていたが、快く対応してもらった▼取材の本筋ではなかったものの話題が日...続きを読む

回転窓/ハラスメントのまん延 [2019年10月10日1面]

 働き方改革と言うのであれば突貫工事をやめてほしい-。専門工事業の経営者がそう訴えていた。現場で突発的な変更が生じて作業が中断し、工程が遅れるケースがあるという。その後は下請企業にしわ寄せが行く▼「明日までに何とかやってもらえないか」。かくいう自分も、建設業界に身を置いていた時、外注先にそう強いたことがある。発注者の顔色が頭に浮かび、語気を強めたことも。「やらなければ次は使わない」とまでは言わない...続きを読む

回転窓/無電柱化の促進を [2019年10月9日1面]

 20年以上の前のこと。東京・表参道を歩いている時、友人が「ここの景色はどこか違わないか」と聞いてきた。ケヤキ並木がきれいだなと思ったが、それ以外は分からず黙っていると、「電柱がないんだよ」と教えてくれた▼無電柱化は全国の商店街や緊急避難道路などで整備が進む。ただ、コスト高などがネックとなり思うように整備延長は伸びていない▼9月に発生した台風15号による千葉県内の停電も強風で電柱が道路に倒れ、復旧...続きを読む

回転窓/ひとごとでは済まされない [2019年10月8日1面]

 配達された新聞を取るため朝、外に出たら涼しさよりも寒さを感じた。最近は以前よりも季節感が薄れてきたと思うことも多いが、ヒヤッとした空気に秋の訪れを感じた▼読書に食欲、芸術、行楽…。秋の前にはさまざまな枕言葉がつく。秋以外の季節で「○○の-」というフレーズはあまり聞いたことがない。気候の良い秋は何をするにも適しているということなのだろう▼今年はスポーツの秋がぴったりではなかろうか。予選リーグがヤマ...続きを読む

回転窓/変革を促す現場 [2019年10月7日1面]

 紅葉が見頃を迎える山や高原が増えてきた。自然の中で広げる弁当をターミナル駅で購入する人が多くなっているそうで、楽しそうに弁当を選んでいる軽登山の装いの親子を見掛けるようになった▼鉄道事業者が品ぞろえに力を入れており、さいたま市のJR大宮駅では「てつどうのまち大宮」と銘打った「大宮弁当」の販売が10月に始まった。駅を行き交う東北、北陸など5方面の新幹線をデザインしたのが特徴。14日には記念イベント...続きを読む

回転窓/活字媒体と文章校正 [2019年10月4日1面]

 文章校正の基本は誤字・脱字のチェック。記事に限らず日報や会議の資料、メール文も変換ミスを含め誤字や脱字がないか、入念に読み返してみる作業が欠かせない。ただ厳密には誤字・脱字だけでは不十分。さらに注意が必要なのが衍字(えんじ)である▼「衍」は余計な、余分な、といった意味で、「きょうははいい天気」の「は」のように、語句の中に誤って入った不要な文字のこと。手書きの文章ではまず生じないがパソコンやスマー...続きを読む

回転窓/スポーツの秋も今は昔 [2019年10月3日1面]

 朝晩は涼しくなったものの、秋晴れの日はまだまだ汗ばむ陽気が続いている。環境省が定めるクールビズ期間は先月末で終了したが、小泉進次郎環境相は就任時、幹部職員を前に10月もノーネクタイなど軽装での就業を促したという▼秋に運動会を行う小学校では、熱中症対策もあり例年よりも開催日を後ろにずらすといった対応も見られる。「スポーツの秋」という言葉も気候変動によって、見直す必要が出てくるかもしれない▼各国首脳...続きを読む

回転窓/「土木」という言葉 [2019年10月2日1面]

 三浦しをん氏の著書『舟を編む』(光文社刊)は、辞書編集部で働く編集者らの辞書作りへの熱い思いが描かれてる。映画にもなったのでご存じの方も多いだろう▼「辞書は言葉の海を渡る舟で、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」ことから題名が付けられた。何十万という言葉にその時代の活用方法も考慮しながら、一つずつ分かりやすい解説を加えていく。その作業は言葉への強いこだわりと執着心がなければできない▼先月発売され...続きを読む

回転窓/消費税と紙面作り [2019年10月1日1面]

 きょうから消費税率が10%に引き上げられる。2014年4月以来の税率アップ。今回は飲食料品と週2回以上発行する定期購読の新聞に軽減税率制度が適用される▼消費税は1989年4月に税率3%で課税が始まった。当時を思い返すと、それまであまり使うことがなかった1円玉と5円玉をやりとりすることが多くなり、財布に小銭が増えた記憶がある▼少し前にある企業の社長と消費増税について話す機会があった。その方は「2%...続きを読む

熊谷組、北陸電力/宿布発電所遺構を福井市に寄贈/公園施設に再整備、土木技術を継承 [2019年10月1日1面]

 熊谷組と北陸電力は、福井県内で初めて電力を供給した水力発電施設「宿布発電所」(福井市)の土木遺構などを再整備し、9月28日に福井市へ寄贈した。熊谷組は、創業の工事として同発電所の導水路や貯水池を手掛けた。現地には貯水池や余水吐きなどの構築物が残っており、当時の発電設備と共に一般公開する。土木技術の継承や地域の憩いの場として活用される。
 同発電所(福井市宿布町2ほか)は、京都電灯福井支店(現北...続きを読む
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