論説・コラム

回転窓/風土治水歌 [2019年3月6日1面]

 明治時代に治山・治水事業の先駆者と呼ばれた宇野円三郎(1834~1911年)。地元の岡山を中心に数多くの堤防工事を手掛け、砂防工の必要性を説くため技術書の発刊や歌なども作った▼その歌の一つに「風土治水歌」がある。前書きに「軍歌のふしにうたうべし」とあり、「嗚呼恐るべし/過し明治の十三年/岡山県下の三大河川/旭の吉井高梁や/其他幹支の川に洪水ありしこのかたの…」と歌詞が続く▼山に緑を蘇らせ、自然の...続きを読む

回転窓/梅の香りと春の足音 [2019年3月5日1面]

 今年に入り関東地方は雨の少ない日が続いた。ほとんど降雨がなかった1月、傘を持つ日は増えたものの、平年に比べ降水量が少なかった2月。月が変わって3月は日曜日から冷たい雨が降り続く▼今年は明日6日が二十四節気の第3「啓蟄(けいちつ)」だそう。啓は開く、蟄は「虫などが土の中に隠れる」という意味。啓蟄と並べば「冬ごもりで隠れていた虫たちがはい出る」時期となる。若葉が芽吹き始めるのもこの頃という▼冬が去り...続きを読む

回転窓/2枚目の名刺 [2019年3月4日1面]

 10数年前、ある企業の方から本業とは別の「2枚目の名刺」を持つよう勧められたことがある。団体や個人をサポートするボランティア、または趣味や幼いころからの夢をかなえるためのライフワークでなど、2枚目の名刺を持つとすればそれぞれの個性がよく表れるだろう▼当時はワーク・ライフ・バランス(仕事と家庭の調和)が注目のキーワードになり始めたころ。調和の取れた働き方や生き方をどう実現していけばよいのかと、社会...続きを読む

回転窓/制度が夢の追い風に [2019年3月1日1面]

 東京都日野市で市街化区域内の生産緑地を貸借した全国初の新規就農者が誕生した。市内に在住する27歳の女性が1095平方メートルの農地を所有者から借り受けて農業を始めるそうだ▼農地を借りたのは川名桂さん。日野市は父親が生まれ育った土地で、自身も15歳から住む。東京大学入学後、思うところあって3年時に農学部へ進んで就農を目指した▼先日、日野市役所での会見で川名さんは「海外に住んでいた経験から途上国支援...続きを読む

回転窓/シェアリングの波 [2019年2月28日1面]

 スマートフォン向けアプリの高度化や高機能化を背景に、物やサービス、場所などを共有・交換して利用するシェアリングサービスの市場規模が急拡大している▼信頼性が高いプラットフォームも必須となるため、国際標準化機構(ISO)で、シェアリングエコノミーの国際規格を開発する技術委員会の設置が承認された。日本からの提案で、6月ころに技術委の第1回国際会議が開かれるそうだ▼既存の物の流通が増えることは、新たな商...続きを読む

回転窓/橋は「はし」か「ばし」か [2019年2月27日1面]

 橋は「はし」か「ばし」か-。昭和30年代に橋の読み方を巡る論争があったと土木雑誌で読んだことがある▼発端は東京都が1954年に出した橋の「銘板」に関する通達。都は橋梁の新設や改修で取り付ける銘板を統一するため、銘板の大きさや取り付け位置、書体などをルール化した。その中に平仮名で橋名板を取り付けた場合、末尾の字音が濁音の時は「ばし」とせず「はし」と書くとした▼つまり「ひのでばし」は「ひのではし」、...続きを読む

回転窓/願う心と温かな気持ち [2019年2月26日1面]

 日本文学の研究者として知られ、2008年に文化勲章を受章したドナルド・キーンさんが24日、96歳の生涯に幕を閉じた▼1922(大正11)年、米ニューヨーク生まれ。コロンビア大学で学んでいた時、英訳された「源氏物語」に心を引かれたのが日本文学の研究者になったきっかけだそう。第2次大戦後、京都大学大学院に留学。川端康成や谷崎潤一郎、三島由紀夫ら日本文壇の大家と交流を深めた▼日本文学の研究者や日本文化...続きを読む

回転窓/もう起きないでほしい [2019年2月25日1面]

 北海道胆振地方で発生した震度6弱の地震から4日が過ぎた。18年9月6日の北海道胆振東部地震の復旧作業がいまだ続く中、この週末も大勢の人が不安な日々を過ごした▼電気やガスといったライフラインが欠かせない極寒の時期に発生した地震である。前回の地震の際の大規模な停電が発生していたなら、人的な被害が拡大してしまった懸念がある▼北海道胆振東部地震だけでなく、18年は豪雨、台風、豪雪などの自然災害が相次いだ...続きを読む

回転窓/切り取り報道 [2019年2月22日1面]

 政治家の発言が「暴言」と受け止められれば、現代では瞬く間に批判が渦巻き、インターネットの投稿サイトなどが「炎上」状態になる。事態収拾のため「陳謝」へと至る事例は枚挙にいとまがない▼最近では兵庫県明石市・泉房穂前市長の「火つけて捕まってこい」発言や、競泳の池江璃花子選手の診断結果公表を受けた桜田義孝五輪担当相の「がっかりしている」発言が非難の矢面に立たされた▼しかし、いずれも問題となった発言の前後...続きを読む

回転窓/働き方改革の光と影 [2019年2月21日1面]

 今年は皇太子さまが新天皇に即位される5月1日と、即位の中心儀式が行われる10月22日が祝日となる▼祝日に挟まれた平日が休日となり、10連休のゴールデンウイーク商戦は例年を上回る活況になりそう。特に観光業にとって長期休暇による特需への期待は大きい。既に人気の観光地を巡るツアーなどには予約が殺到しているという▼消費増税前の駆け込み需要も重なり、19年度前半は多方面でプラスの影響が見込まれる。一方、特...続きを読む

回転窓/月を想う [2019年2月20日1面]

 スーパームーンという言葉はいつ頃から使われるようになったのか。子どもの頃、今夜の満月はいつもよりも大きいと思ったことはあったが、目の錯覚だと早合点していた▼今日未明、今年1年で最も月が地球に近づき、スーパームーンとなった。この記事を書いているのは前日のため、東日本ではどうも天候に恵まれず見られそうにないが、西日本ではあふれんばかりの光を発する大きな満月を見た人がいたのではないか▼日本人は昔から月...続きを読む

回転窓/巡って楽しい工事現場 [2019年2月19日1面]

 建築、土木を問わず公共機関がプロジェクトを行う場合、費用対効果などのデータを事前に開示し事業に対する理解を深めてもらう取り組みが定着しつつある▼高速道路の新区間が開通して、目的地にたどり着く時間が大幅に短くなるなど工事が終わった後、効果を実感することは多い。だが工事の最中は「何かを造っているな」とは思っても、気になって仕方がないと思う人はそう多くないだろう▼奈良県にある特別史跡・平城宮跡で工事中...続きを読む

回転窓/ル・コルビュジエ誕生前夜を味わう [2019年2月18日1面]

 「団塊の世代」の名付け親で、経済企画庁(現内閣府)長官も務めた作家、評論家…。先日亡くなった堺屋太一氏は先見の明を持つ、多才な人だった▼「一芸に秀でた人」ではなく「多才な人」には顕著な業績を残している人が少なくない。建築界の巨人ル・コルビュジエ(1887~1965年)もその一人。若いころ本名のシャルル=エドゥアール・ジャンヌレとして、キュービスムの流れをくむピュリスムの絵画制作に打ち込んだ▼雑誌...続きを読む

回転窓/5年間に何をするか [2019年2月15日1面]

 働き方改革関連法が4月に施行されると、新たに設けられた罰則付き時間外労働時間の上限規制が適用となる▼細かい規定は小欄では割愛するが、この上限規制、建設業への適用は2024年4月1日から。5年の猶予期間を与えられていることは業界関係者の多くはご承知だろう▼あと2年を切った2020年東京五輪・パラリンピックの会場整備など待ったなしの課題に対応するためにも、一定の猶予期間が必要なのは理解できる。ただ一...続きを読む

回転窓/若者が切り開く海外旅行 [2019年2月14日1面]

 空港方面に向かう電車でスーツケースを引いた若者たちを見かけた。2月中旬という時期から察すると、卒業旅行なのかもしれない▼JTB総合研究所によると、日本の海外旅行市場に変化が起きているという。年代別の出国率を見ると、主流だったシニア世代が減少している一方で、20代前半が上昇する傾向にある。雇用環境の改善や給与所得の上昇などが背景にあると考えられ、これからは若者が海外旅行のけん引役になると分析してい...続きを読む
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 途上国や新興国で日本の民間企業が行うイ...続きを読む
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