論説・コラム

回転窓/備えの総点検を [2018年12月25日1面]

 地名にはその土地に起きた災害の歴史や特徴を現在に伝えるメッセージが隠されている。「浅」「深」「田」「谷」などの付く地名は海岸線や川の近く、低地、湿地帯などを表し、過去に津波や台風、豪雨などが発生したと考えられる▼地名から災害の記憶をたどるだけでなく、土地の成り立ちからも身の回りの自然災害リスクを知ることができる。例えば、周囲が浸食により削られ周囲より高い「台地・段丘」は河川氾濫のリスクはほとんど...続きを読む

回転窓/韓国でも働き方改革 [2018年12月21日1面]

 働き方改革はお隣の韓国でも大きな課題になっているようだ。7月1日から週当たりの最大労働時間が68時間から52時間に短縮された韓国。本紙が提携する同国の建設経済新聞は、時短に伴う話題をたびたび報じている▼同紙によると、韓国の建築設計界では、プロジェクトごとに会社を渡り歩くフリーランサーが急増しているそう。納期を控え、時短で残業できない社員の代わりに仕事を仕上げるという需要が高まっており、フリーラン...続きを読む

回転窓/建設業とSDGs [2018年12月20日1面]

 世界で取り組みが進むSDGs(持続可能な開発目標)。経済産業省関東経済産業局が全国に先駆け中小企業での認知度を調べたところ84%が「全く知らない」と回答したそう。一般への認知度という面から見ると浸透はまだまだのようだ▼調査結果では「社会的認知度不足」という回答が5割弱を占め、資金不足やマンパワー不足を挙げる声も多かった。盛り上がりに欠け、能動的に取り組むだけの資金も人材もない。それが実態なのかも...続きを読む

回転窓/名付けてゼブラ・ストップ作戦 [2018年12月19日1面]

 何かと慌ただしい12月は1年の中でも交通事故が多い。年末にかけて交通量が増えるのも一つの要因のようだ▼千葉県警が今年8月から進める交通安全のための活動は、名付けて「ゼブラ・ストップ作戦」。シマウマの英訳「ゼブラ」と交通安全がどう関係するのかを知ると、なるどほどそうかと合点がいく。横断歩道の和製語である「ゼブラゾーン」の「ゼブラ」にかけて、横断歩道上の歩行者の保護を強化することなどが目的の作戦とい...続きを読む

回転窓/進化を続ける夢の超特急 [2018年12月18日1面]

 東京と大阪を鉄道によって3時間で結ぶ-。1957年に鉄道技術研究所(現JR総研)の講演で公表された高速鉄道構想は、64年10月の東海道新幹線開業で実現への一歩を踏み出した▼「夢の超特急」と呼ばれ長く親しまれたのは2008年に営業運転を終えた0系。青と白に塗り分けられた流線形の外観は多くの人に親しまれた。新幹線といえばこの車両を思い浮かべる人も多いはずだ▼0系車両の引退から10年。東日本と東海のJ...続きを読む

回転窓/災いを教訓に [2018年12月17日1面]

 日本漢字能力検定協会の今年の漢字は「災」。強い地震が相次ぎ、甚大な被害を生じさせた西日本豪雨、大型台風、災害級の猛暑…。公募の結果、災は2万票を超えての1位だった▼応募者の中には、災害の減少を願って災を挙げた人も多かったという。懸念される複数の巨大地震をはじめ、災害の発生は避けられない。災を意識せずにはいられなかった1年の教訓を備えに生かしていく必要がある▼国土を安全に強くしなやかにする政府主導...続きを読む

回転窓/民の声聞く水道法に [2018年12月14日1面]

 おいしさを表す「旨味(うまみ)」という言葉が、商売で使われると「旨み」の文字に置き換わり、その意味も利益やもうけに変化する▼10日に閉会した臨時国会で成立した改正水道法。行政に代わり、民間が水道料金を収受して運営する「コンセッション(公共施設等運営権)」を推進する規定が盛り込まれたが、「旨みがない」と建設コンサルタントの評判がよろしくない▼コストが落とせても水道事業以外で収益を上げる仕組みがない...続きを読む

回転窓/人類の進歩に貢献 [2018年12月13日1面]

 今年のノーベル賞授賞式が10日、スウェーデン・ストックホルムで行われた。日本からは、医学生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授が出席。カール16世グスタフ国王からメダルなどが授与された▼世界的に権威のある同賞は、ダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルの遺言によって1901年に創設。生理学・医学、物理学、化学、文学、平和のほか、後に経済学が追加されて「5分野+1分野」で顕著な...続きを読む

回転窓/夕日と文学気まま旅 [2018年12月12日1面]

 冬型の気圧配置が強まり、ここ数日は全国各地で真冬並みの寒さとなっている。つい身を縮めてしまいがちだが、寒い季節ゆえの恩恵もある▼天候に恵まれた日は空気が澄み、夏とは違う夕日の美しさを見られるのも一つ。中でも日本海の夕日は美しく、夕方の早い時間から空と海が赤く染まり始める▼日本古典文学の研究者である浅見和彦成蹊大名誉教授が本紙連載で書いている。「日本海の夕景のすごいところは西から東、左から右、何一...続きを読む

回転窓/ネーミングは難しい [2018年12月11日1面]

 酒に溺れ自堕落な生活を送る怠け者の亭主を、やればできる男だと信じる妻の機転で立ち直らせ、改心した亭主が妻に感謝するという古典落語の名作「芝浜」は、クライマックスが大みそかということもあり年の瀬になると多く演じられる▼かつて江戸から品川にかけての海岸線のうち、芝付近の陸側は芝浜、海上が芝浦と呼ばれた。主人公がこの辺りで魚屋さんを営んでいたことから「芝浜」という題名が付けられたとされる▼夫婦の情愛を...続きを読む

回転窓/営繕さんの仕事 [2018年12月10日1面]

 建物を造ったり修理したりする-。「営繕」にはそのような意味がある。英訳はビルディング・アンド・リペアーズになるそうで、今の時代にぴったりな言葉だと思う▼その語源は1000年以上もさかのぼり、701年制定の大宝律令に営繕令という用語が使われている。当時は建物の営造と修繕だけでなく武器の製造、道路や橋梁、堤防、船などの営造と修繕を表し、現在よりも広い意味で用いられていたそうだ▼営繕の仕事を通して昔と...続きを読む

回転窓/必要なのは高いモラルと誠実さ [2018年12月7日1面]

 ヒット商品はいかに生まれるのか。どんな手法を使うにしても「決して偶然はない」という話を、先日取材した講演で聞いた▼マーケティングは「顧客が求める商品やサービスを作り、情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」のが基本。アイデアや技術がどんなに優れていても、顧客のニーズにかなうものでなければ意味がない。その価値を顧客が理解しなければサービスを得たり、購入したりしようとする行動にはつな...続きを読む

回転窓/伝統の継承 [2018年12月6日1面]

 秋田・男鹿半島に伝わる「ナマハゲ」など10行事が「来訪神 仮面・仮装の神々」として、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に選ばれた。仮装した人が神の使いとなって地域の家を回る行事で、無病息災などにつながるとされている▼男鹿半島ではナマハゲの後継者不足が深刻化していると聞いた。ナマハゲが回る家々も住民の高齢化が進む。「泣く子はいねが!」と大声で入っていくと、老夫婦から「よく来たな」と歓迎...続きを読む

回転窓/氷見の寒ぶり宣言 [2018年12月5日1面]

 富山湾に寒ブリのシーズンが到来し、1日に富山県氷見市の氷見魚市場で「ひみ寒ぶり」の出荷宣言が発表された。この時期が来るのを待ちわびた魚好きの方も多いだろう▼丸々と太って身が引き締まり、脂も乗り切っている寒ブリ。中でも氷見で水揚げされるのは高級ブランド魚として知られる。初日は695本が水揚げされ、多くの仲買人らでセリがにぎわったようだ▼氷見は定置網漁の発祥地であり、天正年間の1573年ころにワラが...続きを読む

回転窓/GDP25%減への危機感 [2018年12月4日1面]

 メディアが報じるさまざまなニュース。師走に入り、今年の産業界で注目が高かったキーワードは生産性の向上や労働力不足ではないか▼先月末に日本経済の年次審査報告書を発表した国際通貨基金(IMF)が、今後の経済動向で気になる予想をしていた。少子高齢化による人口減少で日本の「実質国内総生産(GDP)は今後40年で25%以上落ち込む恐れがある」。早急な改革を怠れば成長力が落ち込むとIMFは指摘する▼少子高齢...続きを読む
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