国交省・中田裕人都市局長に聞く/「令和のまちリノベ」に意欲

2025年7月28日 人事・動静 [2面]

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 1日付で国土交通省都市局長に就任した中田裕人氏が日刊建設工業新聞などの取材に応じ、「地域の魅力を高め、時代にあった『令和の都市(まち)リノベ』に取り組む」との方針を示した。次世代型の持続可能な都市の形成に向け「技術の進歩を生かし、まちの機能を向上させる。高齢者や子どもを含めた全ての人が便利で快適に暮らせて、心を満たすまちづくりを進める」と語った。
 国交省が5月にまとめた「成熟社会の共感都市再整備ビジョン」に沿い具体的な施策を展開。課題の一つに立地適正化計画の見直しを掲げ「時代の変化に合わせて立地適正化計画の中身も進歩していく必要がある」とし、地方自治体の意見も踏まえ対象施設の種類などを議論する。エリアマネジメントについては「制度的な担保や支援の在り方を含め進化させていきたい。エリアマネジメントを担う民間団体が活動しやすい環境整備も必要だ」と述べた。
 都市の脱炭素化やグリーンインフラも重要なテーマに挙げた。「緑の増加を通じてまちの魅力や付加価値を高めていく必要がある」とし、本年度に始まった優良緑地確保計画認定制度(TSUNAG認定)などを活用していく考え。開催まで1年半に迫った国際園芸博覧会(GREEN×EXPO2027)については「EXPOを新しい時代のまちづくりにつながるようなきっかけにしたい」と期待を寄せた。
 切迫する巨大地震対策も都市政策の大きな課題の一つ。「事前復興まちづくり計画」を通じた被害軽減、早期復興の重要性を指摘。「3D都市モデルのプラトーなどデジタルツールを活用し、自治体と一緒になって都市の強靱化に取り組みたい」と語った。