三井不/ロジスティクス事業25年度に6物件着工、累計総投資は1・3兆円に

2025年8月4日 企業・経営 [4面]

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 三井不動産は物流施設などの開発や運営を展開するロジスティクス事業に注力する。2025年度に6物件を着工。国内外の開発施設は合計78件となり、総延べ床面積は約610万平方メートル、累計総投資額は12年4月の事業開始以降で約1兆3000億円に達する。事業領域の拡大も推進。35年までに約6000億円を投資し、データセンター(DC)の建設を加速する。
 三井不は物流施設をまちづくりの一部に位置付け、駅やIC、空港、消費地にアクセスしやすい土地で物件を開発している。地域に開かれた空間を整備するとともに、そこでイベントを開くことで周辺地域との交流も図っている。
 25年度に着工するのは▽MFIP海老名&forest▽MFLP三郷▽(仮称)淀川区加島物流施設計画▽MFLP京都八幡I▽(仮称)MFLP杉戸▽水戸ロジセンター-の六つ。このうち海老名と三郷の施設は4月に着工済み。加島物流施設は大阪市での案件となる。1日に都内で会見した三井不の篠塚寛之常務執行役員は「本年度は関西エリアでの開発を強化していきたい」と話した。
 DCを巡っては新規で関西エリアでの開発が決定した。25年度時点のDC事業の累計投資額は約3000億円になった。今後の整備エリアに関しては「いろいろな技術が進展している。『ワット・ビット連携』なども言われているので、関東や関西以外の地域でも可能性がある」(篠塚氏)。
 物流施設やDCの建設に当たり懸念されるのが工事費の高騰だ。篠塚氏は「施工会社とはこれまで非常に良い関係で事業を進めている。信頼関係の中で、どれだけのコストになるのか詳細に詰めた上で事業に入っている」と述べ、想定外の事業費高騰にならないよう、関係者と緊密に連携し事業を進めている状況を説明した。