三菱地所が東京駅日本橋口前に建設している国内最高層の「Torch Tower(トーチタワー)」の現場で、地上階の鉄骨建て方が始まった。2日に三菱地所設計と清水建設が発表した。外周に斜め部材を配置し、建物全体をチューブ状の構造体に形成して支える「外殻制振構造」を採用。鉄骨建て方は北東コーナー部から先行し、10月にも第1節、最終段階で2026年2月ごろに第4節の建て方を終了する予定だ。
建設地は東京都千代田区大手町2、中央区八重洲1。建物は地下4階地上62階建て延べ55万3000平方メートルの規模。完成後の高さは約385メートルを計画している。
外殻制振構造のうち、1階から9階床高までの低層部に「ダイヤグリッド架構」を採用。巨大な斜め鉄骨柱と鉄骨梁で構成する三角形のフレームが地震時の揺れを抑える。外周約400メートルにわたり、高さ約52メートルまで連続して構成される。鉄骨総重量は約1・1万トン。建築構造体として国内最大規模になる。
斜め鉄骨柱は低層部のファサードを特徴付ける。最新の建築鉄骨工事で合理的に対応可能な大断面(断面1・4メートル×1・6メートル、最大板厚90ミリ、部材最大重量28・4トン)。工期は28年を予定する。