新潟市が行っているタブレット端末を使った小規模の橋梁点検が「西川和廣賞」を受賞した。同賞は、高専インフラメンテナンス人材育成推進機構の表彰制度で、新潟市が受賞したのは同賞の予防保全部門。インフラの劣化や崩壊などの未然防止に貢献した個人や団体に授与されている。
新潟市は2016年度にタブレット端末を利用した橋長15メートル未満の小規模橋梁の点検を開始。19年度の点検から本格導入した。市によると、同方式の使用で内業のデスクワーク時間が大幅に減り、点検費用を従来手法に比べて約9割削減できたという。
タブレット端末を使った点検は、長岡工業高等専門学校が開発したアプリケーションを使用。タブレット画面には▽橋全体が側面から見てたわんだりゆがんでいないか▽舗装面に著しいひび割れや浮き、ポットホール、水や石灰分のにじみ出しなどがあるか▽高欄、防護柵、地覆に大きな変形、さび、歩行者に危険と思われる箇所があるか▽伸縮装置について、路面に異常な段差や凸凹が生じていないか-など全部で18項目のチェック内容が映し出される。
これらの項目に沿って現場で目視確認し、「なし」「あり(予防)必要」「あり(早期補修必要)」「あり(緊急対応必要)」の4項目いずれかに点検内容を入力する仕組み。
点検は災害時応援協定を締結している地元建設会社に委託している。受託者は調査後すぐにタブレット端末に点検内容を入力する。市は蓄積したデータを分析して維持補修の優先度を決める。