中野洋昌国土交通相が29日、神奈川県厚木市の厚木の杜環境リサーチセンター(森の里若宮5の1)を訪れ、下水道管路調査の技術などを視察した。1月に埼玉県八潮市で発生した大規模陥没事故など、全国で管路などの破損事故が多発する状況を踏まえ、事故の未然防止につながる最新技術などで説明を受けた。
同センターは下水道管路調査などの研究開発や技術研修を行う民間施設。ここ数年、事故を未然に防ぐ観点から下水道管路の調査・点検技術の重要性が指摘されている。中野国交相は研修用大口径下水道管路内でのドローン飛行、グラウンドスイーパーのデモンストレーション、小口径下水道管路のTVカメラ車を使った調査などを視察した。
視察には国交省の石井宏幸官房上下水道審議官、岩川勝水管理・国土保全局上下水道企画課長、室永武司関東地方整備局河川部長らが同行。同センターを設立した管清工業の長谷川健司社長らが説明した。
視察を終え中野国交相は「下水管路や地下でどのように維持管理が行われているのかが分かった。作業に当たるエッセンシャルワーカーには、もっと日が当たっても良いと思う。安全や生産性向上の観点からもドローンやロボットなどの導入推進は必須。技術開発にも予算を確保し、官民連携で、インフラマネジメントの改革につなげたい」とコメントした。
同センターは、管清工業が設立した公益財団法人の環境清正財団(伊藤岩雄代表理事)が運営する国内でも数少ない下水道知識の普及啓発施設。小学生らを対象とした体験活動や出前授業などを行っている。