防衛省/隊舎に完全個室追加/曹・士とも広さ15平米

2025年10月3日 行政・団体 [2面]

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 防衛省は、自衛隊員の隊舎に個室を増やす。ユニットバスまたはユニットシャワーを備えた個室と、備えない個室を居室のタイプに加えた。階級の「士」の居室を10平方メートルから「曹」の15平方メートルに改め、階級にかかわらず広さを15平方メートルにする。隊舎の整備はエントランスや水回りを刷新し、積極的に木質化する。設計に反映し、早ければ2026年度から個室を備えた隊舎の整備工事が始まる。
 自衛隊隊舎整備基準を2024年4月に改正しており、全国の駐屯地・基地など283地区の施設を更新する最適化事業の中などで対応する。国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画のいわゆる防衛3文書を踏まえた処遇改善や魅力向上の取り組みの一環。個室の導入に伴う標準設計を現在まとめている。設計中の一部の建物にも反映することになる。
 相部屋のほかに、ユニットバスなどを備える居室と、水回りの設備がない分、居室を広く使える居室の2タイプの完全個室を隊員が選べるようにする。個室は「ホテルのシングルタイプ」(担当者)をイメージしている。教育隊にあるような相部屋であっても、隊の方針で間仕切りによって個室にできるよう運用する。
 隊舎の整備は、エントランスや水回りといった共用部の仕様を見直した上で取り組む。清掃や衛生にも配慮し、クロス張りにするとともに、天井や壁を木質化することで「無機質から柔らかさ、温かさを感じられる隊舎」(同)を意識する。