沖縄県/中南部交通マスタープラン骨子案を公表/普天間飛行場跡地を新たな都市拠点に

2025年10月17日 行政・団体 [23面]

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 沖縄県は沖縄本島の中南部都市圏を対象に中長期の交通政策の指針を示す「都市交通マスタープラン」の骨子案を公表した。米軍からの返還が予定される普天間飛行場(宜野湾市)について、返還後の跡地を新たな沖縄の振興拠点と位置付け、那覇、宜野湾、沖縄の3市を結ぶ南北軸として、大量輸送を担う新たな交通システム導入を目指す。浦添市牧港地区など都市拠点の外周を結ぶ環状道路整備の方針も盛り込まれた。
 マスタープランの骨子案は7日に開かれた「沖縄本島中南部都市圏総合都市交通協議会」(久保田尚埼玉大学名誉教授)の会合で示された。今後、一般への意見募集を経て、2025年度末までに策定。27年度に見直しを予定する上位計画の沖縄振興計画にも反映させる考え。
 都市機能が分散し、移動を自動車に依存する県民生活の脱却に向け、地域拠点を中心とした交通まちづくりや、立地適正化計画などの設定による土地利用の誘導を図り、都市機能を集約。定時で大量輸送可能なBRT(バス高速輸送システム)などの新たなシステムを導入し、強靱な交通ネットワークも構築する。
 自動車を使わず、公共交通や徒歩でさまざまな活動が展開できるような都市圏の形成を目指し、都市間交通の南北軸に宜野湾市を組み込み、那覇、沖縄両市に偏るビジネスや商業の都市機能を宜野湾市に分散させる。
 併せて、都市圏の外側に高規格道路を整備し、長距離移動など通過交通の都市内への流入を抑制。幹線道路の一部空間をバスなど公共交通専用にするなど、公共交通への転換を後押しする環境整備にも取り組む。