土木学会(池内幸司会長)と日本建築学会(小野田泰明会長)は、都内で3日に合同記者会見を開き、土木・建築タスクフォース(TF)の進展状況を明らかにした。TFは6ワーキンググループ(WG)で構成し、各分野で議論を重ねてきた。2025年度は脱炭素に焦点を当て、材料の脱炭素やライフ・サイクル・カーボン(LCC)の共通評価指標作成、構造設計の標準化などに取り組んでいる。
会見で池内会長は「土木と建築の境目はどんどんなくなってきている。持続可能な社会をつくるため、両学会がシームレスに連携し社会課題を解決していくことが重要だ」と強調した。小野田会長も「建築と土木は独自の文化を持ちながら共通する部分も多い。ここ数年で共通言語のすり合わせができた。いよいよ本格的に社会を力強くけん引していく段階にきた」と語った。
両学会は21年に協力覚書(MOU)を交換。TFの下にアンケート、社会価値、構造設計、災害連携、脱炭素、DXの6WGを設けて成果を毎年報告している。
3日は会見に先立ち「第4回合同シンポジウム 土木・建築の連携-脱炭素社会の実現に向けて」を開いた。WGの座長講演に続き、池内会長が会長特別プロジェクト「カーボンニュートラルでレジリエントな社会づくりプロジェクト」の狙いを紹介。建築学会は脱炭素の取り組みを小野田会長が解説した後、「脱炭素都市・建築推進特別調査委員会」の活動を大岡龍三委員長が説明した。
会見には池内、小野田両会長以外に、TF委員長の楠浩一土木学会副会長、勝見武建築学会副会長らが出席した。
小野田会長は脱炭素都市・建築推進特別調査委員会を発展的に改編し、元建築学会会長の田辺新一早稲田大学教授が委員長の新たな特別委員会を立ち上げると表明。「社会ニーズが最もあるところに人的資源を投入していく。脱炭素は非常に広範な分野で、田辺委員長の下でシームレスに物事を共有し、課題を解決したい」と述べた。







