大林組は解体工事で発生するアルミスクラップの水平リサイクルフローを構築した。不二サッシや伊藤忠メタルズ(東京都港区、中谷次克社長)と連携。アルミの選別・回収や加工、管理、再利用など役割を分担し、トレーサビリティー(追跡可能性)を明確にした。水平リサイクルしたアルミサッシは新築建物に利用可能。新材だけを使った場合と比較して製造時の二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減できる。
アルミスクラップのリサイクルフローに基づく初弾の取り組みでは、都内の建物解体工事で発生したスクラップからアルミ材を選別した。伊藤忠メタルズが回収・加工・管理して不二サッシに供給。同社はアルミスクラップも原料にしてサッシを製造した。大林組は東京都清瀬市にある技術研究所の「オープンラボ3(OL3)新築工事第2期部分」に利用する。
初弾の成果として、新材100%のアルミサッシに比べ製造時CO2排出量を約80%削減した。アルミスクラップの排出元と再利用先も特定し、サッシ工場近郊エリアを中心に一連作業を完結させるフローも構築。輸送段階のCO2排出量も減らせる。
大林組は資材製造時のCO2排出量が多い鋼材に着目し、2024年6月に国内初となる建物解体後の鉄骨構造部材を新築建物に再利用する取り組みを始めた。同11月には鉄スクラップの水平リサイクルフローを構築。設計・施工段階でさまざまな建設資材の資源循環に向けた最適な設計手法の検討や技術開発、輸送フローの構築などに注力している。








